ブックタイトルメカトロニクス6月号2013年
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メカトロニクス6月号2013年
12 MECHATRONICS 2013.6 御社の概要についてお聞かせ下さい藤井:当社は、シミュレータのメーカーを目指すため、1999年5月に設立しました。設立後1年は製品開発を行い、2 年目となる2000 年4月にリアルタイムシミュレータを開発して、事業をスタートさせました。スタートさせた当初は、特にどの分野に特化した事業展開ではなく、どういった分野に展開したらいいのか模索しながら進めているような状況でした。 そのような中、ある大手電機メーカーから「モータの制御に使用するPWM信号発生器がほしい」というお話を頂き、PWM 制御装置を開発したのがきっかけで、モータ関連分野に事業展開していくようになっていきました。2002年頃には、PWM 制御装置だけでなく、コントローラというモータを動かす制御装置を試験するために仮想のモータがほしいということで、同じ大手電機メーカー向けにバーチャルモータを開発しました。 そして、バーチャルモータに関してそれまではOEMや特注などが事業の柱でしたが、2005 年5 月に一般向けの標準品として当社初のオリジナル製品となる シミュレータ関連製品の開発/設計、販売などを行うディエスピーテクノロジ株式会社。今回、芝浦工業大学との共同研究により「PMモータおよびSRモータのトルクリップルを低減できるコントローラ」を開発した経緯と概要、また同社の概要と製品について、代表取締役 藤井 康夫 氏と芝浦工業大学 工学部 電気・電子学群 電気工学科 准教授 博士(工学)赤津 観 氏にお話しを伺った。ディエスピーテクノロジ株式会社代表取締役藤井 康夫 氏芝浦工業大学工学部 電気・電子学群 電気工学科准教授 博士(工学)赤津 観 氏芝浦工業大学との共同研究により生まれたモータ制御技術~バーチャルモータを使用した実モータの制御~バーチャルモータを開発し、ソフトウエアと合わせた販売を開始していきました。また同時に、国内における特許出願を行い、2011 年4月に特許を取得しています。これを機に当社の製品ラインアップは、リアルタイムシミュレータにおける仮想のモータが中心となっていきました。 2008 年5 月には、インバータに直接接続できる仮想のモータを開発し、この製品も特許出願を行い、2013 年2 月に特許を取得しています。2005 年に開発したバーチャルモータは、インバータを駆動するためのゲート信号を取り込んでインバータとモータモデルを模擬するというものでしたが、2008 年に開発したバーチャルモータは、制御装置となるコントローラとインバータが実物で、それに繋がる仮想のモータという違いがあります。 このように、仮想のモータの基本となる2つのタイプのバーチャルモータを開発し、特許も取得しているということで、今後モータ関連の仕事が増えてくると予想されるため、当社としても様々な案件に対応できる環境づくりに力を入れています。その一環として、芝浦工業大学工学部電気・電子学群電気工学科の赤津准教授と共同で、モータ制御に関する研究開発を進めており、今年の4月にはモータ制御装置の試作品を完成させる予定です。また、今回の研究成果を赤津准教授も同じ4月に、北九州で開催される『IEEE PEDS 2013』において発表される予定なので、相乗効果なども見込めるのではないかと期待しています。 今回の共同研究開発に至った経緯と 研究の概要などについてお聞かせ下さい赤津:今から3 年ほど前になりますが、株式会社JSOL(以下、JSOL)という電磁界解析のベンダーが主催するユーザー会でお会いしたのがきっかけになります。 電磁界解析は、ここ10 年くらい凄い伸びを見せており、その影響によりモータの設計も大きく変わってきました。そして、モータ制御の方は何をやっていたかというと、優れたシミュレーションモデルのソフトウエアが色々と出てきているにも関わらず、単一の数式モデルを使って線形の状態で制御を行おうとしていました。写真1 バーチャルモータを利用したトルクリップル制御の一例写真2 電流センサレス制御の一例