メカトロニクス2月2013年

メカトロニクス2月2013年 page 51/60

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MECHATRONICS 2013.2 51で、市販の環境関係の辞典では、“SATOYAMA”のように発音をそのままローマ字表記するものと、説明を加えるような英語句のものが紹介されている。・里海:a section of ocean that coexists w....

MECHATRONICS 2013.2 51で、市販の環境関係の辞典では、“SATOYAMA”のように発音をそのままローマ字表記するものと、説明を加えるような英語句のものが紹介されている。・里海:a section of ocean that coexists with anearby populated area4).・里地:mountain village(region)4).・里山:① a seminatural area that coexists with anearby populated area and is an important sourceof fuel, food, compost etc.4); ② satoyama.3,6);③ mountain villages and the woodland aroundthem.4);④neighboring natural environment.5)・里山林:satoyama woodland4)■里地里山に関係する年表 里地里山に関係する事項を年代に従って拾い出すと以下のようなものがある。・1993年:「生物多様性条約」が発効。・1994年12月:政府は、環境基本法に基づいて「環境基本計画」を策定。里地の定義が示された。・1995年:「地球環境保全に関する関係閣僚会議」により「生物多様性国家戦略」が決定された。 日本の生物多様性の保全と持続的利用に関する基本方針。(以後、2002年、2007年、2010年に改訂版が発表された。)・2002年3月:政府は「新・生物多様性国家戦略」を発表、新たに里地里山の手入れを重要取り組み課題とした。・2004年~:「里地里山保全再生モデル事業」(2007年度までに全国4地区で実施)・2007年:技術研修「里なび研修会」を毎年度開催・2007年:「第3次生物多様性国家戦略」を発表・2008年~:「里なびホームページ」開設・2008年:「里地里山保全再生計画策定の手引き」発行・2008年11月12日:「平成20年度里地里山保全・活用検討会議(第1回会合)」(同会議は現在も継続中、同年度に3回開催)・2009年12月2日:「平成21年度里地里山保全・活用検討会議(第1回会合)」(同年度に3回開催)・2010年3月:「生物多様性国家戦略2010」を発表・2010年7月21日:「平成22年度里地里山保全・活用検討会議(第1回会合)」(同年度に3回開催)・2010年9月15日:「里地里山保全活用行動計画~自然と共に活きるにぎわいの里づくり~」を環境省が発表・2010 年10 月18 ~29 日:「生物多様性条約第10回締約国会議」(名古屋市)。同会議において「SATOYAMAイニシアティブ」を提案、「国際パートナーシップ」を設立。「里地里山保全・活用行動計画(英語版)」を作成配布。・2010年12月8日:「平成22年度里地里山保全・活用検討会議(第3回)」・2010年12月10日:「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律」(里地里山法)の公布・2011年7月20日:「平成23年度里地里山保全・活用検討会議(第1回会合)」(同年度に3回開催)・2012年10月:「生物多様性条約(CBD)第11回締約国会議(COP11)」(インド、ハイデラバード)を開催。平行して「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)の第3回定例会合(IPSI-3)」を開催。・2012年11月28日:「平成24年度里地里山保全・活用検討会議(第1回会合)」以下では、この中からいくつかのトピックスを紹介する。■「環境基本計画」における“里地里山”(1)「第1次環境基本計画」「 第1次環境基本計画(」1994年)では、“第2章 自然と人間との共生の確保、第1節 国土空間の自然的社会的特性に応じた自然と人間との共生”において、国土を以下のように四つに区分し、その中に“里地”が含まれ、“里山”の概念も示されている。①山地自然地域:人口密度が低く、森林率が高い地域。全国の自然林の多くが存在し、大型獣の生息も多く確認される。この地域は、他の地域に比べ全体として人間の働きかけによる自然改変の程度が小さく、国土全体の生態系からみると骨格的な部分を形成している。②里地自然地域:人口密度が比較的低く、森林率がそれほど高くない地域。二次的自然が多く存在し、中大型獣の生息も多く確認される。この地域は、農林水産業活動等様々な人間の働きかけを通じて環境が形成され、また、野生生物と人間とが様々な関わりをもってきた地域で、ふるさとの風景の原型として想起されてきたという特性がある。優れた自然の的確な保全と自然とのふれあいの場としての活用を図ることが必要であり、また過疎化、高齢化が進行している地域を中心に森林、農地等の有する環境保全能力の維持を図り、雑木林等の二次的自然を適切に管理することが重要である。③平地自然地域:(略)④沿岸海域:(略)(2)「第4次環境基本計画」「第4次環境基本計画」(2012年)では、随所で“里地里山”問題に触れているが、その一例とその他のトピックスを次回で紹介する。 (2012.12.9記)<参考資料>里地里山に関する文献は数多く紹介されている。各テーマに関連するものを以下に紹介する。①<環境問題全般>1)東京商工会議所編:「環境社会検定試験(ECO検定)公式テキスト(改訂3版)」日本能率協会 マネジメントセンター(2012.2)2)一般財団法人 環境情報センター :「EICネット」 http://www.eic.or.jp/3)日本自然保護協会→ホームページ4)瀬川至朗監修:「英和・和英 エコロジー用語辞典」研究社(2010.9)5)井上嘉則:「環境基本用語事典」オーム社(2001.6)6)「現代用語の基礎知識2012」自由国民社(2012.1)( 各年度版はその年の1月に発行)②<里地里山について>7)里地ネットワーク:http://satochi.net/index.html8)広木詔三:「里山の生態学~その成り立ちと保全のあり方~」名古屋大学出版会(2002)9)丸山徳次・宮浦富保:「里山学のすすめ = <文化としての自然>再生にむけて =」昭和堂(2007)10)(社)日本林業技術協会編:「里山を考える101のヒント」東京書籍(2000)③<里山と生態系・生物多様性>11)石井実監修、(財)日本自然保護協会編集「生態学からみた里やまの自然と保護」講談社サイエンティフィク(2005)12)渡邊定元:「自然環境とのつきあい方(2) = 森とつきあう =」岩波書店(1997)13)守山弘:「自然環境とのつきあい方(6) = むらの自然をいかす=」岩波書店(1997)14)大澤雅彦監修、(財)日本自然保護協会編集:「生態学からみた自然保護地域とその多様性保全」講談社サイエンティフィク(2008)15)桑子敏雄「風景の中の環境哲学」東京大学出版会(2005)16)近自然研究会編:「ビオトープ = 環境復元と自然再生を成功させる101ガイド=」誠文堂新光社(2004)17)高橋裕・加藤三郎・武内和彦・安成哲三・和田英太郎編集:「(岩波講座)地球環境学 ⑦水環境と流域環境」岩波書店(1998)18)高橋裕・加藤三郎・武内和彦・安成哲三・和田英太郎編集:「(岩波講座)地球環境学 ⑧地球環境と巨大都市」岩波書店(1998)19)高橋裕・加藤三郎・武内和彦・安成哲三・和田英太郎編集:「(岩波講座)地球環境学 ⑨地球システムを支える21世紀型科学技術」岩波書店(1998)20)樋口広芳編:「保全生物学」東京大学出版会(1996)21)吉田正人「自然保護~その生態学と社会学」地人書館(2007)④<里山の保全>21)重松俊則:「市民による里山の保全・管理」信山社出版(1991)⑤<森、森林>22)四手井 綱英:「四手井 綱英が語る これからの日本の森林づくり」ナカニシヤ出版(2009)23)四手井 綱英:「森の生態学~森林はいかにして生きているか(講談社ブルーバックス)」講談社(1976)⑥<里川>24)鳥越 皓之、陣内 秀信、嘉田 由紀子、 沖大 幹:「里川の可能性 =利水・治水・守水を共有する =」新曜社(2006)⑦<里海>25)国際連合大学高等結果/日本の里山・里海評価委員会編集:「里山・里海 = 自然の恵みと人々の暮らし =」朝倉書店(2012)26)松永勝彦「森が消えれば海も死ぬ = 陸と海を結ぶ生態学 =(第2版)」講談社(2010)27)松永勝彦・畠山重篤:「漁師が山に木を植える理由」成星出版(1999)28)畠山重篤:「森は海の恋人」北斗出版(1994)⑧<里山の歴史>29)湯本貴和・大住克博「里と林の環境史 (シリーズ日本列島の三万五千年?人と自然の環境史)」文一総合出版(2011年)30)小野佐和子:「江戸の花見」築地書館(1992)⑨<里山に関する制度>31)山田国広「里山トラスト」北斗出版(1994)⑩<里山の危機>32)鷲谷いづみ編:「消える日本の自然 = 写真が語る108スポットの現状 =」恒星社厚生閣(2008)33) 佐藤 洋一郎:「里と森の危機(クライシス) = 暮らし多様化への提言 (朝日選書786) =」朝日新聞社(2005)⑪<自然の歴史的環境>34)木原啓吉:「ナショナル・トラスト = 自然と歴史的環境を守る住民運動、ナショナル・トラストのすべて(新版)」三省堂(1998)35)工藤直子「あっ、トトロの森だ!」徳間書店( 1992)36)宮崎美子:「「生きもの」への礼儀 = 自然を畏れ、守り、育て、愛する人へ」光文社(2000)37)松下一郎・鈴木康央:「里地里山・複合大汚染」ごま書房新社(2010)⑫<地域活動>38)重松敏則:「市民による里山の保全・管理」信山社出版(1999)39)上郷・瀬上の自然を守る会(横浜市)→ホームページ40)神奈川県-かながわの里地里山→神奈川県庁ホームページ⑬<法令・閣議決定・政府刊行物等>41)閣議決定:「環境基本計画(第1次)」(1994.12.16)42)環境省自然環境局:「日本の里地里山の調査・分析について(中間報告)」(2001)43)中央環境審議会:「「21世紀環境立国戦略」の策定に向けた提言」(2007)44)閣議決定:「21世紀環境立国戦略」(2007)45)環境省:「『里地里山パンフレット』~古くて新しいいちばん近くにある自然~」(2004)46)環境省:「里地里山保全活用行動計画~自然と共に生きるにぎわいの里づくり~」(2010.9,15)47)閣議決定:「生物多様性国家戦略2010」(2010.3.16)48) 法律公布:「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律」(里地里山法)(2010.12.10)49)環境省編:「平成23年版環境白書」(2011)50)閣議決定:「第4次環境基本計画」(2012)⑭<関連ホームページ>51)SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ