メカトロニクス12月号2012年 page 51/60
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MECHATRONICS 2012.12 51暖化を抑制する-の二つのテーマに関する技術・システムおよび取組活動である。ただし、地球温暖化に関しては、現在、二酸化炭素の抑制策は除くなど、いくつかの除外分野がある。 同賞はオ....
MECHATRONICS 2012.12 51暖化を抑制する-の二つのテーマに関する技術・システムおよび取組活動である。ただし、地球温暖化に関しては、現在、二酸化炭素の抑制策は除くなど、いくつかの除外分野がある。 同賞はオゾン層を破壊するフロンへの対策をルーツに、その後、代替フロン等の温室効果=地球温暖化への悪影響が問題視されるのに伴って代替フロン対策などにも目を向けるように募集対象の範囲を広げている。 2012年度の表彰は、その第15回目であり、9月6日にその贈賞式が行われた。本年度の応募件数は19件で、選ばれた6件の受賞者と受賞対象を以下に紹介する5)。(1)経済産業大臣賞:(株)ローソン「コンビニ向けのノ ンフロン(CO2)冷凍機システムの大規模導入」(2)環境大臣賞:三菱樹脂(株)「ノンフロン冷凍・空調 用新吸着材の開発」(3)優秀賞:ホシザキ電機(株)「ノンフロン業務用製氷 機の開発」(4)優秀賞:香川県冷凍空調設備工業協会「フロン漏洩 防止のための広報・啓発活動」(5)優秀賞:クレードル食品(株)・桑原冷熱工業(株) 「 アンモニア・CO2を利用した凍結装置の実用化」(6)審査委員会特別賞:アスクル(株)・東邦金属工業 ( 株「)HFOを用いたダストブロワーの商品化」■国連環境計画のモントリオール議定書 採択25周年への対応(1)25周年記念の主要テーマ 国連環境計画は国際オゾン層保護デーの行事として、10周年(1997年)と20周年(2007年)に大規模なイベントを企画した。今年は、それより控えめな対応であるが、スローガンを“Protecting ouratmosphere for generations to come(次の世代のために大気を守ろう)”として、2012 年11月12日~16日に、ジュネーブ(スイス)で行われる第24回モントリオール議定書締約国会合において国際的な行事が計画されている。(2)25周年記念ポスター 25周年記念のポスターは、各種用意されているが、その中の数例を(写真4)に紹介する。(3)国連事務総長からのメッセージ 今年の「国際オゾン層保護デー」を迎えて、国連事務総長潘基文(Ban Ki-moon、パン・ギムン)は、以下のメッセージを発表した1)。 “四半世紀前に、人類が直面した最大のチャレンジの一つ -地球上の生物を太陽光の有害な紫外線から守るオゾン層が薄くなること- と取り組んで、環境問題における地球規模の協力の最高の事例を作り上げた。モントリオール議定書は、直接の目標に対して成功を収めたばかりでなく、その他の地球規模のチャレンジに対しても直接に教訓とインスピレーションを生み、それらにも共通の進歩を与える機会をつくり出した。 私たちが気候変動を軽減することに気を配り、その他の環境上の脅威に取り組み、また、持続可能な開発に関するリオ+20会議の成果を実行するときに、モントリオール議定書の物語は、グリーン経済を包括的に追求することの利益を際立たせている。このことが、一つの問題に取り組むときに、その他の多くの問題にも取り組むことができることを示している。 消費、産業および農業の分野で、オゾン破壊物質の98%を地球規模で段階的に廃止することで、オゾン層は今や予測通りに、これから50年かけて回復する途上である。皮膚がんおよび白内障の発生は数百万件もの事例を避けることができ、環境へあたえる紫外線の有害な影響も同様に、既に避けられつつある。 モントリオール議定書はまた、化学品および装置に関するモノづくり産業界において、エネルギー効率のさらに良い、また環境に優しい冷凍システムをもたらして、数多くのイノベーションを引き起こした。 この議定書に基づく行動はまた、気候問題にも著しい利益をもたらした。これらの物質の多くは、たとえば、クロロフルオロカーボン(CFC)のような主要な温室効果ガスが、かつてヘアスプレーのような商品に使われていたのであった。それにもかかわらず、このチャレンジはまだ終わっていない。政府は、この職務を終わらせ、追加の問題を避けるという約束を守らなければいけない。オゾン層には優しいが同時に強力な温室効果ガスでもあるハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用は、オゾン層破壊物質の切り替えで急速に増加しつつあるのである。 モントリオール議定書は、基本的な原則 -たとえば、科学に基づく政策決定、予防的措置、共通だが差異のある責任、同世代および世代間における公平性のような- はすべての国に利益を与えることができる。この「国際オゾン層保護デー」にあたって、モントリオール議定書を国際的協力のきわだった実例としたすべての人々にお祝いを申し上げたい。そして、私たちの時代におけるその他の大きな環境と開発へのチャレンジに、同じ精神で取り組むよう、政府およびすべての仲間たちに激励をおくるものである。”(4)「成層圏オゾン層保護におけるモントリオール 議定書の達成:25年間の経過報告書」モントリオール議定書の採択から現在までのオゾン層保護対策の活動記録が、パンフレットとして「MontrealProtocol Achievement in Stratospheric OzoneProtection - Progress Report 1987 - 2012(成層圏オゾン層保護におけるモントリオール議定書の達成= 25年間の経過報告書)」の題で発行されている6)。(5)「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書 = 2012:策定の成功)」 モントリオール議定書の策定における努力がいかに成功してその内容を充実させたかについては、パンフレットとして「Montreal Protocol onSubstances that Deplete the Ozone Layer -2012:A Success in the Making(オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書 = 2012:策定の成功)」が発行されている7)。以下にその目次を紹介する。①緒言②理論から行動へ③モントリオール議定書の交渉④モントリオール議定書 ・科学的および技術的基盤 ・化学物質の規制 ・実施の柔軟性 ・貿易の管理 ・途上国の参加 ・遵守の形態 ・議決権 ・新しい科学的発見に対応するモントリオール議定 書の進化⑤多数国間基金の確立 ・管理 ・拠出金⑥多数国間基金の進化 ・増加費用 ・慣例と平等に基づくシステムの開発 ・技術移転による遵守への機能付与 ・国の受容力を支援することによる持続可能性の促進⑦モントリオール議定書に対する地球環境基金 (GEF)の寄与⑧モントリオール議定書体制の存続期間の達成⑨未来へのチャレンジ(6)「モントリオール議定書ハンドブック」と 「 ウィーン条約ハンドブック」 UNEPオゾン事務局は、今回の25周年を記念して「ウィーン条約ハンドブック」および「モントリオール議定書ハンドブック」の改訂版を2012年に発行した8,9)。両ハンドブックは、1991年に初版が発行されたが、当時は第6版(2003年)までは条約と議定書とを一緒にまとめたハンドブックであった10)。そのハンドブックが第7版(2006年)から条約と議定書のそれぞれに分割され、今回は第9版(2012年)となった。その分量も「ウィーン条約ハンドブック」が全71ページ、「モントリオール議定書ハンドブック」が全708ページという大部なものとなっている。(2012.10.21記)<参考資料>1)国連環境計画オゾン事務局(UNEP Ozone Secretariat)のHP http://ozone.unep.org/new_site/en/index.php2)環境省地球環境局編集:「平成23年度 オゾン層等の監視結果に関する年次報告書」環境省(2012.8)、A4×210pp.3)2012年度のオゾン層保護対策推進月間ポスター http://www.env.go.jp/earth/ozone/4)環境省地球環境局フロン等対策推進室編集:「(パンフレット)オゾン層を守ろう2012」(2012.8)、A4×10pp. http://www.env.go.jp/earth/ozone/pamph/index.html5)日刊工業新聞社のHP6)UNEP:「Montreal Protocol Achievement in StratosphericOzone Protection - Progress Report 1987 - 2012(成層圏オゾン層保護におけるモントリオール議定書の達成 = 25年間の経過報告書)」(2012)、A4×24pp.7)UNEP Ozone Secretariat:「Montreal Protocol onSubstances that Deplete the Ozone Layer - 2012:ASuccess in the Making」(オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書 = 2012:成功した策定の努力)」8)UNEP Ozone Secretariat:「Handbook for the ViennaConvention for the Protection of the Ozone Layer(NinthEdition)」(2012)、A4×71pp(ウィーン条約ハンドブック).9)UNEP Ozone Secretariat:「Handbook for the MontrealProtocol on Substances that Deplete the Ozone Layer(Ninth Edition)」(2011.2)、A4×708pp(モントリオール議定書ハンドブック).10)UNEP Ozone Secretariat:「Handbook for theInternational Treaties for Protection of the Ozone Layer(1st Edition)」(1991)、(オゾン層保護のための国際条約ハンドブック).<写真6>「議定書策定の成功」の表紙7)<写真7>「ウィーン条約ハンドブック」の表紙<写真8>「モントリオール議定書ハンドブック」の表紙