メカトロニクス10月号2012年

メカトロニクス10月号2012年 page 51/60

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概要:
MECHATRONICS 2012.10 51<写真7>「グリーン成長に向けて」の表紙12)<写真8>2012年国際年をテーマとした「世界行動計画」の表紙13)<写真9>UNEP40周年記念のロゴ注18)とならない水準において、大気中の温室効....

MECHATRONICS 2012.10 51<写真7>「グリーン成長に向けて」の表紙12)<写真8>2012年国際年をテーマとした「世界行動計画」の表紙13)<写真9>UNEP40周年記念のロゴ注18)とならない水準において、大気中の温室効果ガス濃度を安定化することをその究極的な目的とした条約。注9)国連気候変動枠組条約:(United Nations FrameworkConvention on Climate Change、UNFCCC)。⑨1997年(平成9年)12月1日~12日: 「国連気候変動枠組条約第3回締約国会議」(京都)を開催 条約附属書?国(先進国)の第一約束期間(2008年~2012年)における温室効果ガス排出量の定量的な削減義務を定めた京都議定書注10)を採択。注10)京都議定書:(Kyoto Protocol to the United NationsFramework Convention on Climate Change)。⑩2000年(平成12年)9月6日~8日: 「国連ミレニアムサミット」を開催 「国連ミレニアムサミット(The U.N. MillenniomSummit)」は、“21世紀における国連の役割”をテーマに、紛争、貧困、環境、国連強化等について幅広く議論し、ミレニアム宣言を採択。その翌年に国際開発目標の統一的な枠組みである「ミレニアム開発目標」注11)が取りまとめられた。注11)ミレニアム開発目標:(Millennium Development Goals、MDGs)。2000年9月に採択された国連ミレニアム宣言と、1990年代に開催された主要な国際会議やサミットで採択された国際開発目標とを統合し、一つの共通の枠組みとしてまとめたもの。2015年までに達成すべき8つの目標を掲げている。⑪ 2002年(平成14年)8月26日~9月4日: 「持続可能な開発に関する世界首脳会議」注12)を開催 地球サミットから10年という節目の年にヨハネスブルグ(南アフリカ)で開催。「ヨハネスブルグサミット実施計画」「政治宣言」「約束文書」を採択。また、我が国の提案により、2005年からの10年間を「国連・持続可能な開発のための教育の10年」注13)とすることが決定された。また、「持続可能な開発に関する世界サミット2020年目標」注14)が合意された。注12)持続可能な開発に関する世界首脳会議:(ヨハネスブルグサミット2002、リオ+ 10:World Summit on SustainableDevelopment、WSSD、Johannesburg Summit 2002、Rio+10)。注13)国連・持続可能な開発のための教育の10年:(United Nations Decade of Education for SustainableDevelopment、UNDESD、ESD)。その国際実施計画が、2005年5月にユネスコ執行委員会で承認され、日本では、同年12月、関係省庁連絡会議を内閣官房の下に設置し、各方面から寄せられた意見等にも十分に配慮しつつ検討を進め、2006年3月、関係省庁連絡会議において、わが国における実施計画を定めた。注14)持続可能な開発に関する世界サミット2020年目標:(世界サミット2020年目標、(WSSD目標、WSSD 2020 Target)。化学物質管理に関する世界共通の中長期目標。予防的取組方法に留意しつつ、透明性のある科学的根拠に基づくリスク評価・管理手順を用いて、化学物質が、人の健康と環境への著しい影響を最小化する方法で生産・利用されることを、2020年までに達成する。⑫ 2010年(平成22年)10月18日~29日: 生物多様性条約第10回締約国会議」(名古屋市)を開催 生物多様性に関する2011年以降の目標である「愛知目標」注15)や遺伝資源へのアクセスとその利益配分に関する「名古屋議定書」注16)等が採択・決定された。注15)愛知目標:(Aichi Targets)。地球規模で劣化が進んでいるとされる、生物多様性の損失に歯止めをかけるために設定された「2010年目標」に代わり、本会議で合意された目標。2011年以降の戦略計画で、人類が自然と共生する世界を2050年までに実現することを目指している。注16)名古屋議定書:(生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書、Nagoya Protocol on Access to Genetic Resourcesand the Fair and Equitable Sharing of Benefi ts Arising fromtheir Utilization to the Convention on Biological Diversity)。⑬ 2011年(平成23年)2月21日: 「グリーン経済(Green Economy)」(UNEP)を発表 国連環境計画(UNEP)は、報告書「グリーン経済をめざして:持続可能な発展と貧困の撲滅への道筋政策立案者のための統合的方策(Measuring Progresstowards a Green Economy)」を発表した。“グリーン経済”を、環境問題に伴うリスクと生態系の損失を軽減しながら、人間の生活の質を改善し社会の不平等を解消するための経済のあり方であると定義した。⑭ 2011年(平成23年)5月25日: 「グリーン成長に向けて」(経済協力開発機構)を発表 経済協力開発機構注17)は、報告書「グリーン成長に向けて(Towards Green Growth)」を発表12)。“グリーン成長”とは、経済的な成長を実現しながらわれわれの暮らしを支えている自然資源と自然環境の恵みを受け続けることであると考える。その重要な要素として、生産性の向上、環境問題に対処するための投資の促進や技術の革新、新しい市場の創造、投資家のの信頼、マクロ経済条件の安定等が必要であることを強調している(写真7)。注17)経済協力開発機構:Organization for Economic Cooperationand Development (OECD)。世界経済の発展、途上国経済の健全な拡大、多角的かつ無差別な世界貿易の拡大のための政策の推進を目的とした国際機関。⑮ 2012年(平成24年): 国連は、2012年を国際年として「すべての人のための持続可能エネルギーの国際年」と指定 国連は毎年、国際社会が1年間を通じて一つの共通した問題に取り組むテーマを定めて「国際年」を指定している。2012 年は、「すべての人のための持続可能エネルギーの国際年(International Year ofSustainable Energy for All)」と指定された。国連の説明では、“持続可能な経済開発と国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成には、エネルギーへのアクセスがきわめて重要であり、エネルギーへのアクセスおよびエネルギー効率を高め、再生エネルギーを増やすことの重要性を再確認する”とされている13()写真8)。⑯ 2012年(平成24年)12月: 「国連環境計画」の設立40周年 「国連環境計画」は、第27回国際連合総会(1972年12月)でその設立が決定されたので、2012年12月に設立40周年を迎える。 歴代の事務局長は下記の通り。・初代(1972 ~1976):モーリス・F・ストロング(Maurice F.Strong):就任前、国連財団理事、ストックホルム環境研究所長、世界資源研究所長。退任後、北京大学環境財団名誉会長、北東アジア安全保障・持続可能性研究所所長。・第2代(1976~1992):モスタファ・K・トルバ (Mostafa K.Tolba):就任前、エジプト青少年大臣、エジプト科学研究技術アカデミー議長、元UNEP事務局次長。退任後、国際環境開発センター(ICED)(エジプト)を設立。・第3 代(1992~1998):エリザベス・ダウズウェル(Elizabeth Doweswell):元カナダ環境省次官補気候変動に関する政府間パネル(IPCC)カナダ代表団長。退任後、トロント大学共同生命倫理学センターの健康・ゲノミクス・倫理学客員教授、グローバリゼーション委員会委員、欧州公共問題センター準研究員。・第4 代(1998 ~2006):クラウス・テプファー(Klaus TOpfer):就任前、ドイツ環境大臣。退任後、持続可能性高等研究所(IASS、ドイツ)を創設、「持続可能な建設のためのホルシム基金」諮問委員会委員。・第5代(2006~):アッヘム・シュタイナー (Achim Steiner):就任前、世界ダム委員会議長、IUCN地域保全プログラム・国際政策ユニット上級政策顧問。国際自然保護連合議長。(注18)UNEP40 周年の記念ロゴには、スローガンに“1972-2012:Serving People and the Planet( 1972-2012 人間と地球のために)”とある。⑰ 2012年(平成24年)6月20日~22日: 「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」を開催 以上の経緯を経て、2012年は、1992年に開催された「環境と開発に関する国連会議(地球サミット、UNCES)」から数えてちょうど20年目であり、持続可能な開発を実現するための世界の取り組みについて議論を行うことが企画された(United NationsConference on Sustainable Development、UNCSD、Rio+20)。 その会議では、持続可能な開発の実現に関するこれまでの取り組みや目標達成状況について総括を行うとともに、新たに取り組むべき課題や今後達成すべき目標について認識を共有し、今後の取り組みに向けた国際的合意を結ぶための政治的文書を作成することを目標としている。(以下次号)(2012.8.15記)<参考資料>1)環境省編:「2012年版環境白書/循環型社会白書/生物多様性白書」日経印刷(株)(2012.6)(特に“第1部第1章 地球と我が国の現状”より、“第1節 国連持続可能な開発会議~リオ+20、第2節 持続可能な環境・経済・社会の実現に向けた世界の潮流”を参照。)2)外務省のホームページ:「国連持続可能な開発会議(リオ+20)(概要と評価)」(2012.6.24)3)「リオ+20国内準備委員会」((株)三菱総合研究所内)のホームページ4)「Our Planet(UNEP広報誌日本語版)=UNEP40周年記念特別号」公益財団法人地球友の会(2012.Vol.2、通巻27号)5)Donella H. Meadows, Dennis L. Meadows,Jorgen Randers, William W. Behrens II:I「The Limits to Growth - A Report for the Club of Rome'sProject on the Predicoment of Mankind」Universe Books(1972)(日本語訳)大来佐武郎監訳:「成長の限界-ローマ・クラブ「人類の危機」レポート」ダイヤモンド社(1972.5)6)Donella H. Meadows, Dennis L. Meadows,Jorgen Randers:「Beyond the Limits」Chelsea Green Publishing Co(. 1992)(日本語訳)茅陽一監訳:「限界を超えて-活きるための選択」ダイヤモンド社(1992.12)7)Donella H. Meadows,Dennis L. Meadows,Jorgen Randers:「The Limits to Growth-The 30-Year Update」(2004)(日本語訳)枝廣淳子訳:「成長の限界-人類の選択」ダイヤモンド社(2004)8)The Council on Environmental Quality,The Department ofState:「The Global 2000 Report to the President-Enteringthe Twenty First Century」(1980.7)(日本語訳)田中努監訳:「西暦2000年の地球」日本生産性本部(1980.12)9)WCED (World Commission on Environment and Development):「Our Common Future」Oxford University Press(1987)10)UNEP:「Agenda 21-The United Nations Programme ofAction from Rio」(1992) (日本語訳)環境庁・外務省監訳:「アジェンダ21実施計画('97)」エネルギージャーナル社(1997.12)11)環境省地球環境局編集協力:「ヨハネスブルグ・サミットからの発信~「持続可能な開発」をめざして-アジェンダ21完全実施への約束」エネルギージャーナル社(2003.11)12)OECD:「Towards Green Growth」(2011.5)13)The Secretary-General's High-Level Group on SustainableEnergy for Al:l「Sustainable Energy for All-A Global ActionAgenda( 2012.4)