メカトロニクス7月号2012年 page 56/60
このページは メカトロニクス7月号2012年 の電子ブックに掲載されている56ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
56 MECHATRONICS 2012.7 自動車、材料、部品、情報・計測機器やEV / HEV 技術に関する展示会である、自動車技術展 : 人とくるまのテクノロジー展2012が、パシフィコ横浜で開催された。3日間の来場者は、71,785 ....
56 MECHATRONICS 2012.7 自動車、材料、部品、情報・計測機器やEV / HEV 技術に関する展示会である、自動車技術展 : 人とくるまのテクノロジー展2012が、パシフィコ横浜で開催された。3日間の来場者は、71,785 名に上った。■寒冷地での実走行試験の必要がない シャーベット飛散再現装置 (株)東洋製作所では、シャーベット飛散再現装置を展示し、同装置を用いた飛散実演も行っていた。 同装置はシャーベット雪を人工的に造り出し、車両へ飛散させることによって雪害試験を行う、というもの。車両の走行中に路面雪が車両の下部や周囲などに付着し、再凍結するなどといった問題を、試験室内で一年中再現のできる装置となっている。この装置は含水率の可変が可能で、0~90Wt%のシャーベットが製造可能。また、大量の可変や車速相当の飛散速度も再現できる。設備は固定式の他に、コンパクト設計で可搬式とすることもでき、また多軸トラバースとの組み合わせで、シャーベット雪の飛散方向もプログラムによって自由に設定することができる。雪質もシャーベット雪以外の雪質を再現することも可能だという。■モーションキャプチャ技術を応用した 3 次元計測 (株)ノビテックでは、モーションキャプチャ技術を応用し、計測点の位置、変位、速度などを高速かつリアルタイムで計測・解析できる、3 次元リアルタイムモーション計測システム『VENUS3D』を紹介していた。 同システムは、加速度計や変位計などの各種センサを利用した計測や、専門知識を必要とした人体動作分析をリアルタイムに可視化し、計測結果の比較など、データの解析をその場で簡単に行うことができるもので、変位計測、リアルタイム計測、位置あわせ計測などに適している。高精度に速度、加速度、変位などの変化量を取得できる他、センサごとの軸あわせや微分誤差もないため、様々な現象を非接触で簡単に計測可能。また、データも後から計算し直すことなく、相対変位などもその場で取得できる。試験中にその場で速度・加速度の変位をグラフで確認できるため、試験をしながらの方針変更や破壊など次に起こる現象を確認しながら実験を進められる。また相対変位量のリアルタイムコンタ表示も可能である。■ HV/HEV 系モータ、ドライバ、 バッテリを総合的に評価 静岡テクノフロンティアブース内の(株)スペースクリエイションでは、HILS 組み込み型モータベンチ耐環境性能評価試験を紹介していた。 このシステムはHV/HEV系モータ、ドライバ、バッテリを総合的に評価できるもので、Simulink の制御モデルをMSH 内に組み込むことができるので、モータベンチ評価=RPDを実現、モータなどの開発期間短縮に貢献する他、MSHに組み込まれたSimulinkモデルを開発者がさわることで、ControlDeskとあわせて自在にデータ収録と制御の検証が可能、という特徴がある。■自動車の様々な振動特性を非接触で 測定するレーザドップラ振動計 ポリテックジャパンでは、自動車/エコカーの開発に役立つ非接触振動/表面形状測定システムを展示。ブースでは、エンジンカットモデルをターゲットとしたデモを交えて、高感度なレーザドップラ振動計『OFV-5000』、汎用性の高いコンパクトレーザドップラ振動計『NLV-2500』、回転振動を計測できる回転振動計『RLV-5500』の3 種類などを紹介していた。 レーザドップラ振動計は、①センサ質量負荷がなく、測定物本来の減衰や剛性に基づく振動測定が可能、②わずらわしいケーブル配線がない、③高い空間分解能、④測定周波数は最大で24MHz、⑤エンジンなどの高温ターゲットや、タイヤなどの柔らかい素材、MEMS などの微小なデバイス、傷を付けられない微細な表面、ピックを貼り付けできない複雑な形状などを実稼動状態で測定できるなどの特徴がある。■研究開発向けの実験車両 ( 株)ゼットエムピーでは、クラウド・ロボカー『connected』RoboCar HVを展示していた。 RoboCar HV は、車載ネットワークCAN(ControlArea Network)を介して、ベース車両に搭載されているセンサ情報を取得でき、かつ同社独自のコントローラによって制御可能な、研究開発向けの実験車両。特徴としては、① CAN情報の取得が可能(速度、エンジン回転数、四輪速度、ハンドル回転量、バッテリ情報(SOC、温度)、シフトポジション、加速度、角速度、方位など)、②ステアリング、アクセル、ブレーキを制御可能、③ ZMP制御BOXでユーザプログラムを実行可能、④ユーザが開発したシステム、ソフトウェアを追加可能、⑤自動制御モードとマニュアルモードの切り替え可能、⑥安全装置搭載、⑦オプションでステレオカメラやレーザレンジセンサなどの外界センサを搭載可能、などがある。また、この発売に伴い、マイクロソフトのクラウドサービスであるWindows AzurePlatformと連携させた開発環境が提供されるとして、来場者の注目を集めていた。■いつも同じ基準のメッシュを自動生成 インテグラル・テクノロジー(株)では、メッシュ自動作成ツール『FORTUNA』を紹介していた。 同ツールはいつでも同じ基準のメッシュを、熟練オペレータと同等に自動生成するもので、衝突解析、振動解析などに適する高品質なメッシュ作成の自動化が簡単にできる。形状認識、メッシュフロー制御、メッシュ自動生成、メッシュ品質向上の4 機能を使用しており、コア技術の形状認識によって様々な部位特性を把握して、各部位に適した処理を行うので全体的に良い結果が得られるという。■バッテリシステム検証の新手法 イータス(株)では、バッテリスタックシミュレータを、デモを交えて展示していた。 安全性、効率性の確保という観点から欠かすことのできないバッテリ状態の理想的な監視を実現する装置で、個々のセルだけでなくバッテリスタック全体も精度で模擬することが可能。また、同社のHIL(Hardwarein the Loop)システムであるLABCARとの組み合わせで、個々のセル電圧を高精度かつリアルタイムに制御できる。主な特徴は、①最大120セル(DC600[V])までのバッテリスタックのシミュレーション、②リチウムイオン電池及びニッケル水素電池などの各種二次電池のシミュレーションに対応、③過充放電状態の再現など、実際のバッテリでは危険を伴う作業を安全に検証、など。 同展示会の次回開催は、2013年5月22日(水)~5月24日(金)、パシフィコ横浜において予定されている。自動車技術展(人とくるまのテクノロジー展2012)2012 年5 月23日(水)~5月25日(金)パシフィコ横浜公益社団法人 自動車技術会■ 会 期■ 会 場■ 主 催3 次元リアルタイムモーション計測システムクラウド・ロボカー『connected』RoboCar HV(株)スペースクリエイションのブースバッテリスタックシミュレータに関する展示レーザドップラ振動計インテグラル・テクノロジー(株)のブースシャーベット雪噴射装置のデモの様子