メカトロニクス6月号2012年

メカトロニクス6月号2012年 page 13/60

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MECHATRONICS 2012.6 13所 在 地:U R L:事業内容:岐阜県関市http://www.iwata-fa.jp一般産業機械(産業用ロボット、食品機械など)の構成部品を開発・製造および販売、など。株式会社 岩田製作所・・・・・・・・....

MECHATRONICS 2012.6 13所 在 地:U R L:事業内容:岐阜県関市http://www.iwata-fa.jp一般産業機械(産業用ロボット、食品機械など)の構成部品を開発・製造および販売、など。株式会社 岩田製作所・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウハウであり強みとなる技術といえます。標準品は量産して在庫をもっていますが、セミオーダーや特注品は当然受注生産になります。特にセミオーダーはお客様の指定された材質やサイズのものを最短でその日のうちに作ってその日のうちに出荷しなければならないのですから、それに応える受注~製作~出荷までのシステム、そして1 個でも安く早く作る製造での工夫が他社との差別化となり価格競争力となります。 御社の主力製品などについてお聞かせ 下さい増田:当社は、ニッチでユニークな発想により開発したFA用部品を販売していますが、その中の主力製品をいくつかご紹介させていただきます。 『セットカラー』は、シャフト上におけるギアやスプロケットの固定、ベアリングの押さえなどに使用する製品です(写真1)。止めねじで固定するSCタイプ、スリット構造で保持力の大きいSCSタイプ、セパレート構造で脱着が簡単なSCSSタイプ、クサビ構造で簡単に締め付けができるSCKタイプを用意しています。内径サイズはφ3~120mmで、表面処理や材質は黒染め/無電解ニッケルめっき/ニッケルクロムめっき/クロメートめっき(白色)/ SUS304 /アルミ/樹脂など用途に合わせてお選びいただけます。 『シム&スペーサー』は、モータやピローの高さ調整、ベアリングの??間調整などに使用する製品です(写真2)。形状は、リング、C型、フランジ、1溝や2 溝の角型など。板厚は、0.01mmから取り揃え、材質は、鉄/真鍮/ステンレスがあります。通常のシムのほかに、0.05mm の板を積層したラミネートタイプがあり、剥離して板厚調整ができるユニークなものも用意しています。 『トリム&トリムシール』は、板金カバーなどのエッジを保護するトリムと、クッション性のあるチューブが付いているトリムシールといった2種類のタイプを用意しています(写真3)。接着剤を使わずに、押し込むだけで簡単に取り付けができ、作業性に優れています。板厚は0.3~22mmまでの板材に取り付けが可能で、1m単位での販売も行っています。 『センサブラケット』は、主要センサメーカーに対応したセンサの取付金具です(写真4)。オムロン社やキーエンス社などの光電センサ/近接センサ/ファイバセンサ/フォトマイクロセンサに合わせて設計されており、センサ品番から選定ができます。センサスタンドを使えば、センサの取り付け位置を自由に調整でき、目盛付きのシャフトを使用すればさらに調整が簡単です。材質は、ステンレス/鉄/アルミ/樹脂になります。 『リニアストッパー』は、主要直動メーカーのガイドレールに対応した、抜け止め/位置決め用のストッパーです(写真5)。ストッパーボルトやウレタン付きボルトなど、ラインアップも充実しています。ガイドレールの幅15~69mmまで対応しており、こちらもガイドレールの品番から選定できます。材質は、鉄とステンレスの2種類になります。 『塗装治具』は、紛体塗装や吹付塗装の際に使用する、ワークの吊り治具や、タップ部などに塗料を付着させないマスキングパーツです(写真6)。特にマスキングは、タップ部に差し込むプラグタイプ、パイプなどにかぶせるキャップタイプ、平面に貼るシールタイプがあり、いずれも乾燥炉の高温に対応したシリコン製です。 今後の展開についてお聞かせ下さい増田:一昨年からまったく新しい事業の試みとして、地元の中小企業を対象にしたエンジニアリングサポートを始めました。この事業は、大手のような生産技術部隊のない企業を対象に「ものづくり」のお手伝いを行う事業です。生産効率を上げたい、コストダウンしたい、でも技術者がいないから機械のことはよく分からない、といった企業の困りごとを解決しコストダウンを提案します。現場診断から問題点を見つけ、その問題に応じて治具や専用機、設備改造などを提案、技術支援を行う取り組みです。実際に今も、あるお客様向けに生産効率を上げるための専用機を製作しているところです(写真7)。 なぜこのような事業を始めたかといいますと、リーマンショックによる売り上げの低下が一つのきっかけになりました。市場のグローバル化により、中国やアジアなどからの廉価製品が市場に流れてきた影響で価格競争が激化、当社も価格競争力のある企業を目指すため生産効率アップ、コストダウンを図ってきました。専用設備や専用治具などを自社で設計から製作まですべて行うことで様々なノウハウを得ることができました。その取り組みから得たノウハウを新しい事業として活かせないか、ほかにも当社同様、同じ課題で困っている企業があるのではないか、ということで、まずは当社の地元である岐阜の企業を対象に、分野を問わず徐々に展開しています。今はまだ当社もお客様と共に勉強しながらの展開ですが・・・。部品だけでなく、「ものづくり」そのものもサポートできる企業になっていきたいと考えています。 また、FA 用部品に関しても、現状は国内での事業展開がほとんどですが、価格競争力をつけることで、将来的には海外も視野に入れた事業展開が進められると考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真5 リニアストッパーとその使用例写真7 新規事業で製作した専用機(左枠内はセンサブラケット装着部分、右枠内はセットカラー装着部分)写真4 センサブラケットとその使用例写真6 塗装治具(マスキングパーツ)