メカトロニクス6月号2012年 page 12/60
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概要:
12 MECHATRONICS 2012.6 御社の概要についてお聞かせ下さい増田:当社は1964 年、『スプロケット』を製造する会社として岐阜市で創業を開始しました。岐阜は古くから鋳物産業が盛んで、鋳物のスプロケットをはじめ....
12 MECHATRONICS 2012.6 御社の概要についてお聞かせ下さい増田:当社は1964 年、『スプロケット』を製造する会社として岐阜市で創業を開始しました。岐阜は古くから鋳物産業が盛んで、鋳物のスプロケットをはじめ、食品機械などに適したステンレス製などを標準化し販売してきました。 その後、1984年、現在当社のメイン事業となっている『セットカラー』の製造、販売を始めました。セットカラーとはスプロケットやギアの固定に使用する部品です。スプロケットを販売する中で、お客様が独自で作っていることを知り、日本で初めて標準化しました。当初は、数十アイテムで販売を始めましたが、材質や形状、サイズなどお客様のニーズは幅広く、何度も品種拡大を繰り返し、現在では2,500アイテムを越える製品に成長しました。 当社のような中小企業は、お客様の所に行って緻密なマーケティングで売れ筋をリサーチするといった活動がなかなかできません。そこで当社では、お客様の希望するものが標準品になければ一個から製作する、といった特注対応に力を入れてきました。その中からニーズの多いものを標準化する、これが品種の拡大に繋がっています。お客様が独自で作るには設計~製作まで手間と時間、すなわちコストが掛かります。標準化されれば在庫により納期は即納、量産により価格も安くなる、といったコストダウンのメリットをお客様に提供できます。 セットカラーの発売後も、「お客様が独自で作ってい 他社がやっていないニッチな市場に的を絞って、一般産業機械の構成部品で事業展開を進める株式会社岩田製作所。価格競争が激化する市場に対して、ユニークな発想で製品開発を進める同社の概要と製品、新たに進める事業について、営業部部長 増田 空陽 氏にお話しを伺った。株式会社 岩田製作所営業部部長増 田 空 陽 氏豊富な標準品と1個からの特注対応でお客様をサポート~「 ものづくり」のサポート企業 ~る部品」=「市販されていない部品」に的を絞って製品を発売してきました。 1989 年に発売した『シム&スペーサー』は機械組立時の??間調整や、モータの水平出しなどに使用する製品です。これもお客様が機械組立の現場でその都度作っていた部品です。 1991 年には、本社・工場を現在地の岐阜県関市に移転し、2001 年には、製造工場の新設を行いました。 その2001年には、国内の主要センサメーカーに対応したセンサ取付用金具『センサブラケット』(中小企業ベンチャー振興基金助成対象品)を発売しました。センサの取り付けに必需品である取付金具はセンサメーカーにオプションとして販売されていますが、アイテムが少なく、設計者が図面を描いて板金加工業者が作る、といったことが当たり前の部品でした。 その後、産業機械向け部品だけではなく、塗装業向けの治具やマスキングパーツである『塗装治具』を2006年に発売。よくお客様から「岩田製作所っていったい何屋さんなの!?」といった質問を受けるほど、バラエティ豊富な製品を取り扱うようになりました。どれもこれもコンセプトは同じです。 2010 年には「ものづくり中小企業製品開発等支援事業」に認定された『リニアストッパー』など6 製品を発売、現在では、 全23カテゴリー/ 15,000アイテムを越えるラインアップに成長しました。 最近では、さらに特注対応を強化、既存の製品群にとらわれず、当社の設備で製作できるものはどんなものでも1 個から製作しています。結果、切削加工品、板金加工品、簡単なアッセンブリー品などの受注が増えてきました。大手ユーザーを中心に、品質管理やトレーサビリティ、環境対策など、一品一様の加工品にも要求が多様化、従来の加工屋さんに不安を抱えるお客様が増えてきているからだと思います。 また、より短納期、より安価にお客様の希望する部品を提供するため、『セミオーダー』『追加工』『オプション』といった仕組みも充実させました。豊富な標準品があってもすべてのニーズに対応できるわけではありません。そこで、材質やサイズを自由に選べるセミオーダー、標準品にタップ加工などを行う追加工、希望の文字をレーザマーキングするなどのオプションを用意し、より細かなニーズに対応しています。いずれも価格や納期をカタログ上に掲載しており、面倒な図面のやり取りをすることなく品番でご注文いただけます。納期も最短で当日、通常でも翌日~3日後出荷と短納期です。 このように当社は、豊富な製品群と信頼の加工技術により、FA 現場のあらゆるユーザーニーズに対応できる体制を整えてきました。 御社の技術に関してお聞かせ下さい増田:当社の製品は、ローテクな製品ばかりです。工作機械などの設備さえあればどこでも作れます。ただ、ニッチな製品だけに多品種少ロット。標準品もセミオーダーも特注品(加工品)も、どれもほとんどが1~10個の注文です。これを安く、早く作るところが当社のノ写真1 セットカラーとその使用例写真2 シムとその使用例写真3 トリムとその使用例