メカトロニクス4月号2012年

メカトロニクス4月号2012年 page 53/60

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MECHATRONICS 2012.4 5336立ち上がる光線束は立体形状であろうが、ここでは二次元座標で扱い、細長くなり凝縮された分だけ光が増幅されると考える。そして光の強さは角倍率γに反比例すると設定する。( 表2-9)。 照....

MECHATRONICS 2012.4 5336立ち上がる光線束は立体形状であろうが、ここでは二次元座標で扱い、細長くなり凝縮された分だけ光が増幅されると考える。そして光の強さは角倍率γに反比例すると設定する。( 表2-9)。 照射光束が放出光束に変換される経過を図示すると、照射光Front Lobe が直光Main Lobe と側光Side Lobe ならびに戻光Back Lobe とにそれぞれの射出角で分離され、角倍率γに反比例した強さに変貌する現象が理解できる( 図2-164)。照射光束を1 に設定しているので、相対利得が得られている。 戻光Back Lobe は少ないのが望ましいが、導光板に回帰されて再活用されるから容認できる。しかし側光Side Lobe は皆無が理想だ。ところが、直光Main Lobe 相当の照射光Front Lob の照射角範囲は側光Side Lobe をも同時に包含しているので、側光Side Lobe の発現だけを阻止はできない。せめて側光Side Lobe よりも直光Main Lobe が比較的強くなる照射光Front Lob の照射角範囲を採択するのが良かろう。というわけで、上向きプリズムシートの前には散乱シートを配置するのが常套である( 既出図2-151)。導光板にはV 字溝筋形式よりも斑点散布形式の放出素子を敷設するのが望ましいといえる。 照射角度に依存しない均等一様な光線束で照射した場合に、放出光線束はプリズム機能の利得を表現している( 図2-165(a))。照射光線束は一般に散乱光であり、使用している導光板に敷設されている放出素子の形態によって千差万別である。ここでは、照射角度の余弦に比例した完全散乱光の場合( 既出図2-157) と仮定して、プリズムを透過した光線束の形状を表現してみた( 図2-165(b))。 プリズムの頂角Θを変えた場合に、直光MainLobe や側光Side Lobe、戻光Back Lobe の出現が微妙に変化する。プリズムの頂角Θが狭くなりすぎると、戻光Back Lobe が多重反射して放出されるが、その他の光線束は消失する( 図2-165 ① )。逆に、頂角Θを拡張してゆくと、先ず側光Side Lobeが消失しはじめ( 図2-165 ③ )、さらに戻光BackLobe もなくなる( 図2-165 ④ )。このときプリズムの頂角は拡張し過ぎて、平行平面形状に近い。 頂角Θの限界領域にプリズム素材の屈折率nを要因に加味すると、興味ある図表ができる( 図2-166(a))。それぞれの限界頂角曲線は高次関数式で示される。このようなとき、独立変数または従属変数を逆数に変換すると、簡潔な関数曲線になる。ここでは屈折率の逆数を採ると、直線式に表現できた( 図2-166(b))。逆数に換えて数式化するこの便利な方法は、他の課題でも応用できるので、覚えておくと好い。 無駄とみなされる側光Side Lobe の発生を抑制しながら、直光Main Lobe を十分に育成できる適切な頂角Θは、これら限界曲線の範囲内で見出せないだろうか。 蛇足になるが、大きめの屈折率に仮定してみると、プリズム放出光線束の変化からプリズムシートの機能をさらに知得できる(図2-167)。【参考文献】2-81)3M「輝度上昇フィルムBEF シリーズ」電子版2 設計からはじめよう(その35)図2-164 照射光から放出光への増幅度を求める図2-167 屈折率を変更したときの放出光線束図2-165 プリズム頂角を変化させたときの透過光線束の形状図2-166 屈折率nのプリズム頂角による放出光の発現屈折率屈折率