メカトロニクス4月号2012年 page 52/60
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52 MECHATRONICS 2012.4全反射してしまうだろうと疑ってしまった。確かに、シートの片面から眺めてみるときらきら輝いて、透した先の景色は見えない。 とりあえず、端面から照射した導光板に被せて、放出光線束の変....
52 MECHATRONICS 2012.4全反射してしまうだろうと疑ってしまった。確かに、シートの片面から眺めてみるときらきら輝いて、透した先の景色は見えない。 とりあえず、端面から照射した導光板に被せて、放出光線束の変化を測定してみた(図2-161)。シートがないときの光線束は、導光板の表面を這うように放出されている。この状態では液晶板を効果的に照明できない。そしてシートを被覆してみると、光線束は垂直方向へ見事に立ち上がった。けれど、主たる光線束の両脇に掌を挙げた格好で小さな光線束が付きまとっているのは奇妙だ。 垂直に太く放出されている光線束は、プリズムの斜面で屈折した光線であり、両脇の小さな光線束は片斜面で反射し他斜面で屈折した光線である。試用前に疑問視していた戻り光は、プリズムの両斜面で二重反射した光線だ(図2-162)。 光線束がシートから放出される角度は前方0°に対して± 90°の有限区間で、窓関数window function扱いである。無線通信アンテナの送受信指向特性が「8」の字形や「四つ葉のクローバー」形の曲線になり、放射角における放射エネルギーの利得で表現している。その手法に準じて、屈折して正面から放出された光線束をMain Lobe(主光、直光)と呼び、反射し屈折して両脇から放出された光線束をSide Lobe(側光)またはSube Lobe( 副光)、そして二重反射して正面方向へ射出できなかった光線束をBack Lobe(戻光) と称することにする。Front Lobe( 照射光線束) を与えたときに、プリズムを通過する光線はどのような挙動をするのか、反射則や屈折則など通常の光学式を用いて追跡してみた( 図2-163)。 それぞれの光線の偏角は、プリズムの境界面で変化する。同時に、光線束の太さも変形する。導光板から《第36回》2 設計から始めよう(その34)図2-162 上向きプリズムシートの機能 2‐81) 図2-163 プリズムによる光線の挙動図2-161 導光板面からの放出光(板面:14型、放出素子形式:微細突起φ0.1×間隔漸変、実測1998年)表2-9 光学系倍率に関する光学用語(日本規格協会JISハンドブックより)5.側射型照明装置(その18)(2)充実型側方照明( エッジライト) 方式(その19)⑮偏角シートⅰ 上向きプリズムシート バックライトユニットにおいて導光板の表面に重塁されている数々のシート類は、これからバックライトを開発しようとする初期の者にとって理解できない存在であった。特に導光板の表面に積層されたプリズムシートは最たる物。ポリエステルフィルムの表面に、間隔が約50 μ m 微細な帯状の平行に直角プリズムがアクリル樹脂で敷設された構造である。一般のレンズ光学系で使用する直角プリズムは光線を回帰させるために採用するのであるから、プリズムシートで被覆すると、導光板からの放出光線束は