メカトロニクス3月号2012年

メカトロニクス3月号2012年 page 52/60

電子ブックを開く

このページは メカトロニクス3月号2012年 の電子ブックに掲載されている52ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
52 MECHATRONICS 2012.3《第35回》2 設計から始めよう(その33)2 設計からはじめよう(その34)図2‐160 反射シートの構造技術(その1)2‐80)5.側射型照明装置(その18)(2)充実型側方照明( エッジライト) 方....

52 MECHATRONICS 2012.3《第35回》2 設計から始めよう(その33)2 設計からはじめよう(その34)図2‐160 反射シートの構造技術(その1)2‐80)5.側射型照明装置(その18)(2)充実型側方照明( エッジライト) 方式(その18)⑭ 反射シートⅵ 反射シートの構造(つづき) 前回に引き続いて、特許文献の引用経路に特許事件の資料を並べてみる(図2-160)。収集した資料のほとんどはこの引用経路に乗り、技術内容の系統が明確に表現される。経路の出発点や経由点は細線枠で表示したが、行き先は現在点であり太線枠で明確に示した。経路の途中に引用されている特許事件は、出願後に“(自発的に)取下げ”されたものもあるし、出願人が審査請求せず自然放置したために“みなし取下げ”扱いになり、または審査の結果で“拒絶査定”を受けたものもある。当然ではあるが、“特許査定”の事件は基幹経路になり得る。そして経路の末端は、特許出願日から規定の期間が経過していないので、特許査定は未だ裁定されていない現時点を表示している。 経路を辿って特許事件を詳細に眺めると、それぞれの技術内容には異なる性格もあるが、ほぼ5 つのグループに大きく分類できると感じられた。①②⑥⑦の第一グループは、反射粒子を充填して光を拡散反射させる構造である。③④⑤の第二グループは、反射膜を積層して光を反射させる仕組み。そして第三の⑥には経路線が明示されていないが、それぞれの事件は表面に微粒子を散布して光線は散乱反射させる状態を表している。⑧⑨⑩⑪⑫の第四グループは、多孔性繊維や発泡樹脂に成形して均等な反射性能を発揮させる手法だ。さらに⑬⑭⑮の第五グループは、ポリエステル薄膜層を利用するなど素材料の光学的特性や成形性を活用して白色反射性を特化させている。それぞれのグループには特定の企業が存在し、独自の製造技術に基づいた固有の特色を演出している。系統路線を解析することにより、その技術が将来どの方向に志向して行くのかさえ、想像できるように感じる。 このように技術の推移を経路化し流れ図を描くと、種々の思考が展開できる。技術研究にむだ/むり/むらがないか。特許出願の請求範囲は権利確保に対して妥当な効果はあるのか。将来に有効な価値を創出する商品は発現できないだろうかなど、品質管理手法で多くの学習ができる。 当面のバックライトに適する反射シートを選定する立場の使用者においても、これら製品を試用する有益な手段が見出せる。さらに、新規に当該技術分野に進出するとき、特色を発揮できる商品はできるであろうかとまで発想できるようになるであろう。【参考文献】2-80)独立行政法人工業所有権情報・研修館「特許電子図書館(I PDL)」電子版⑧⑩⑪⑧三井東圧化学「反射体」特開H02-169244/特許2895080三井東圧化学「液晶表示装置のバックライト用反射体」特開H07-23004/特許3617535「光反射体」特開H11-74213/拒絶「反射シート」特開2005-316149/拒絶「反射シート及びそれを用いる面光源装置」特開2008-192406/みなし取下【構成】銀薄膜層と接着剤層で形成され、保護用シートが剥離容易に付着された反射体において、u、Al,In,Mg,Ti,Sn,Si,Cr,Co,Ni,Mo,Ta,V,W,Mn,Zn,Pt,Pd,Pbの群から選出された物質を積層する。【効果】熱・光・ガスなどの環境因子に対する耐環境が向上し、破損飛散防止機能が大きい。【図面】1プラスチックフィルム 2銀を主成分とする薄膜層 3保護層【目的】優れた電気絶縁性と光反射効率を併せ持つ。適度の剛性と柔軟性があり、ランプホルダーと光反射シートが一体形成されている。【構成】熱可塑性樹脂に無機系充填剤100~300wt%を含み、波長550nmの光線反射率が95%以上である。【図面】光源部のランプホルダーと導光板の下方に配設される光反射シートが一体形成された代表的液晶表示装置のバックライトの断面【課題】電気絶縁性と光線反射率が良好で、高温での熱安定性に優れる。【手段】樹脂組成物(ポリプロピレン樹脂25~40mt%と無機充填剤5~50wt%を含む)に延伸助剤0.01~10wt%を含むシートで、一軸延伸した多孔性樹脂の光反射体。反射率≧95%、熱収縮率≦10%@110℃×1minで厚み=50~300μm【課題】軽量、高反射率に優れたシート。【手段】ポリオレフィン合成パルプを抄紙した繊維による反射層からなる反射シート。【図面】なし【課題】薄く軽量で反射率が高い反射シートで、熱によるたわみが少ない。【手段】合成パルプ及び芯鞘構造繊維(芯部がエステル系重合体で、鞘部がエチレン系重合体で構成されている)を含む反射シート。【写真】合成パルプ繊維の顕微鏡写真⑨「光拡散板」開H04-275501/みなし取下凹凸加工時に損傷し、材料が高価。表面凹凸程度により光拡散効果が依存する。古河電気工業「面光源装置」特開2006-339005/特許4532346【従来技術】ブラスト仕上げSB又はホーニング仕上げGHでは凹凸が浅く光拡散性が弱い。エンボスロール加工では凹凸が粗く輝度が不十分。【解決手段】エンボスロール(表面粗さR180μ凹凸頂角60°)でポリカーボネイト樹脂を厚さt327μmに仕上げた。【効果】光拡散性に優れ且つ高輝度が得られる。【図面】なし【課題】加工性や形状保持性に優れた合成樹脂発泡体で、薄型で高反射率。【解決手段】略楕円形状の気泡を内部に含有した白色シート。線状光源は気泡長軸に垂直方向に設置する。【図面】本発明の面光源装置に用いる光反射板および線状高原を示す説明図⑪三井東圧化学「液晶表示装置のバックライト用反射体」特開H07-23004/特許3617535 紫外線に一定時間曝されると、表面が黄変して反射率が低下し、表示画面の色合いが変化して、液晶表示装置としての品質が低下する。ここで、紫外線防止剤は高価で、塗布しただけでは黄変を十分に防止できない。古河電気工業「光反射板」特開2010-152035/無査定【目的】優れた電気絶縁性と光反射効率を併せ持つ。適度の剛性と柔軟性があり、ランプホルダーと光反射シートが一体形成されている。【構成】熱可塑性樹脂に無機系充填剤100~300wt%を含み、波長550nmの光線反射率が95%以上である。【図面】光源部のランプホルダーと導光板の下方に配設される光反射シートが一体形成された代表的液晶表示装置のバックライトの断面【課題】紫外線による黄変を防止し、安価に提供する。【解決手段】表面に気泡または気孔が露出している。【図面】本発明の光反射板の製造方法の一例を示す模式断面図⑩特願H04-514573/特許4005123 シート中の気泡平均径50~650に限定されている。気泡を小さくできないために無機充填材を多く入れなければ反射率を高くできない。成形性が低下し製造原価が増加する古河電気工業「光反射シートおよびその製造方法」特開2010-145908/無査定(当該番号では不明) 【課題】光反射性に優れた樹脂発泡体からなる光反射シートを安価に製造する。【解決手段】フィーラA(屈折率が熱可塑性樹脂より1.0以上高い酸化チタン、平均粒子100~500nm)とフィーラB(炭酸カルシウム、平均粒子100nm以下)が9~15wt%含有された樹脂発泡体からなる光反射体。【図面】なし