メカトロニクス3月号2012年

メカトロニクス3月号2012年 page 51/60

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MECHATRONICS 2012.3 51方法に関する調査、支援スキームの検討を目的としたフィージビリティースタディ(FS)を実施することとしており、2010年度は30件の事業を採択した。このうち、セメント工場における省エネルギ....

MECHATRONICS 2012.3 51方法に関する調査、支援スキームの検討を目的としたフィージビリティースタディ(FS)を実施することとしており、2010年度は30件の事業を採択した。このうち、セメント工場における省エネルギ?や環境技術の導入可能性調査が3件採択された。①セメント工場における省エネ技術の導入 日本の高効率な技術(廃熱発電技術、混合セメント技術、代替燃料使用、低効率設備の高効率化等)の普及による排出削減量を推定する。②セメント工場を利用した廃棄物処理 世界初のゼロエミッション型廃棄物処理システムの導入を想定し、既存CDM 方法論及び国際基準を基に追加性の最適基準を検討の上、新たな適応方法論の作成を目指す。③バイオマス燃料化技術の導入 マレーシアサラワク州で廃棄物として大量に発生しているパーム椰子の空房をセメントキルンの熱エネルギー源として利用するバイオマス燃料化技術による方法論を検討する。(4)重電産業・ 高効率モータのトップランナー規制導入 モータ(三相誘導電動機)は、国内で毎年1千万台弱出荷されており、1億台超もの台数が国内にて普及している。これらのモータの多くは、ポンプ、圧縮機、送風機を始め様々な産業用機械において使用されており、我が国における産業用の電力消費量の約75%を、我が国のエネルギー消費量の相当量をモータが消費している。 一方、モータに関しては、欧米では高効率化が進んでいるのに対して、我が国では、インバータの導入促進や負荷低減の取組が優先され、また、ロシアやインドと並びモータ単体に対する効率規制が取られておらず、高効率化が進んでいないのが現状。 仮に、現在普及しているすべてのモータが高効率のものに転換した場合の効果を試算すると、年間155億kWhの省エネ、約500万t?CO2のCO2の削減が期待される。 我が国における産業部門の更なる省エネ・低炭素化を図るためにも、モータを省エネ法のトップランナー基準の対象機器として追加することとし、その基準策定のための検討を行うこととしている。(5)自動車産業・ エネルギー/環境技術の強化に向けた対応を軸と するグローバル戦略の推進 昨今のエネルギー制約及び地球温暖化問題に対する関心の高まりにより、我が国自動車産業が国際競争を維持・強化していく上で、環境技術を軸としたグローバル展開が重要となっている。 一方、既に述べたとおり、先進国市場においては、高い技術を導入された次世代自動車等の需要拡大が見込まれる一方、新興国市場においては従来車が市場の中心的役割を果たすと考えられる。 このようにグローバルな市場が、地域ごとに多様化していくと考えられ、各メーカーは、市場毎の特性に見合った対応が求められる。このため、我が国自動車関連産業が競争力を失うことなく世界のリーディング産業で在り続けるためには、次世代自動車の推進と従来車の競争力維持の2つのバランスをもって進めていくことが必要である。■“環境性能の高い製品の普及促進等” 第2 部、第3 章、第1節に“2. 環境性能の高い製品の普及推進等”があり、その中の“(4)国内ものづくりの抱える課題”において、以下のように9つの項目が紹介されている。(1)低炭素型雇用創出産業の国内立地推進 緊急経済対策の第1ステップとして、わが国が強みを持ち、将来の成長が見込まれるリチウムイオン電池、LED、エコカーなどの低炭素型産業における国内での設備投資を支援することにより、地域の活性化と雇用創出を図るものとして、予備費で1,100億円措置された。公募の結果、285件の応募があり、2010年12月末に153件の採択を決定した。 これにより、補助額の約5倍に及ぶ約5,300億円の設備投資が実施される見込み。また、すべての事業が完了すれば、すそ野産業に対して、毎年約1.9兆円の需要が創出される見込み。その結果、すそ野産業も含めて、約9万5,000人の雇用創出が見込まれる。(2)電気自動車、プラグインハイブリッド自動車等の導入促進 運輸分野における二酸化炭素の排出抑制や石油依存度の低減を図るため、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、クリーンディーゼル自動車等を導入する者に対し、通常の自動車との価格差の2分の1以内の補助を行うとともに、充電設備等を設置する者に対する補助を行った(145億8百万円)。(3)環境対応車への買い換え・購入に対する補助制度 環境対策と景気対策を効果的に実現するため、2009年に引き続き、古い車を廃車して一定の環境性能を有する車を購入する場合、または古い車の廃車を伴わなくとも環境性能に優れた車を購入する場合に、それぞれ一定額の補助を行った。(4)自動車重量税・自動車取得税の時限的免除・軽減措置 自動車の買換・購入需要を促進するとともに、今後我が国が目指すべき低炭素社会の実現につなげるため、自動車重量税・自動車取得税について、環境性能に優れた自動車の取得・継続保有に係る負担を時限的(自動車重量税:2009年4月から2012年4月末まで、自動車取得税:2009年4月から2012年3月末まで)に免除・軽減する措置(「自動車重量税・自動車取得税の時限的免除・軽減措置」、いわゆる「エコカー減税」)を講じている。(5)自動車税のグリーン税制 排出ガス及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車の普及、及び更なる低公害化を進めるため、燃費性能などに応じて自動車税を軽減する一方、新車登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車に対しては重課を行う措置(自動車税のグリーン税制)を講じている(2012年3月末まで)。(6)家電エコポイント制度 グリーン家電(省エネルギー性能の高い地上デジタル放送対応テレビ、エアコン、冷蔵庫)の購入者を対象に、様々な商品と交換可能なエコポイントを発行する「家電エコポイント制度」を2009年5月に開始し、地球温暖化対策の推進、経済の活性化、地上デジタル放送対応テレビの普及促進を図った。 2010年9月に閣議決定した「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」では、従来統一省エネラベル4☆相当以上であった対象製品を、より省エネルギー性能の高い5☆の製品に限定した上で、適用期限を2011年3月31日まで延長。さらに、2010年10月に閣議決定した「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」において、2010年12月以降付与するポイントの見直しを行うとともに、2011年1月からは申請対象を買い換え及びリサイクルを行った場合に限定し、制度終了後の反動減を抑え、ソフトランディングを図るための措置を行った(6,929億円)。(7)住宅エコポイント制度(略)(8)低炭素投資促進法の制定 低炭素型産業を新たな経済成長の柱として育成し、我が国を低炭素型産業の世界拠点にすることを目指し、エネルギー環境適合製品の開発及び製造を行う事業の促進に関する法律(低炭素投資促進法)を制定した。同法に基づき、電気自動車、蓄電池、太陽光パネル等の低炭素型製品の開発・製造を行う事業者に対する資金供給の円滑化を図るとともに、中小企業等がリースによる低炭素型の設備導入を行いやすくするために、新たな保険制度を創設した。(9)国内クレジット制度 中小企業等が行った省エネ等の取組を評価し、大企業等からの資金・技術等の提供を可能とする「国内クレジット制度」を通じて、中小企業のみならず、農家や家庭等も含めた幅広い分野における低炭素型設備の普及促進を図っている(28億26百万円)。 2010年度補正予算事業では、国内クレジット制度を活用した中小企業等の低炭素型投資を後押しするため、低炭素型設備の導入を通じたCO2排出削減見込量に相当する助成金の支給を行った。(2012.1.7記)<参考資料>1)経済産業省・厚生労働省・文部科学省編:「2011年版もの  づくり白書」(財)経済産業調査会(2011.10)2)経済産業省ホームページ:2011年版ものづくり白書(も  のづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告) ・(A3版)平成22年度ものづくり基盤技術の振興施策(骨子) ・(A4版)平成22年度ものづくり基盤技術の振興施策(概要) ・2011年版ものづくり白書本文  http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/  mono/2011/index.html3)一般社団法人日本化学工業協会:「温室効果ガス削減に  向けた新たな視点 - 国内におけるライフサイクル評価 -  carbon-Life Cycle Analysis(c-LCA)- ある一定の条件  を設定した上で<図1>環境制約への対応状況1) 算出したケーススタディ(」2011.7)