メカトロクス12月号2011年 page 51/60
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MECHATRONICS 2011.12 51(JFJ)の設立・2002年3月:JFJから政府に対して『ESDの10 年』を提言・2002年8月:ヨハネスブルグ・サミットにおいて、日本のNGOと政府が『ESDの10年』を共同提案・2002年12月:第57回国連....
MECHATRONICS 2011.12 51(JFJ)の設立・2002年3月:JFJから政府に対して『ESDの10 年』を提言・2002年8月:ヨハネスブルグ・サミットにおいて、日本のNGOと政府が『ESDの10年』を共同提案・2002年12月:第57回国連総会において『ESDの10年』採択・2002年12月:『「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議』(ESD-J)を設立するための準備世話人会が発足・2003年3月:JFJ解散・2003年6月:ESD-J発足・2004年12月:NPO法人取得(2)政府の動き 政府は本問題を取りあげる関係省庁の横断的な組織を編成した。その名称は、『「国連持続可能な開発のための教育の10年」関係省庁連絡会議』であり、以下の11の組織が組み込まれている。 ・内閣官房、外務省、文部科学省、環境省、内閣府、総務省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、法務省、厚生労働省■わが国における「ESD実施計画」 日本政府は、国連総会の決議を受け、2006年3月に『「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画』を決定した。 同計画では、2009年までの前半5年間の取り組みを踏まえて、2010年に同計画を見直すことが定められていた。 そのため、政府は2010年より『「国連持続可能な開発のための教育の10年」関係省庁連絡会議幹事会』や、有識者から成る『「国連持続可能な開発のための教育の10年」円卓会議』において、前半5年間の取り組みについての評価を行うとともに、パブリック・コメントを実施し、改定案を取りまとめた。この改訂版は、2011年6月3日付けで発表された。その改訂版の目次を<表1>に紹介する4、5)。■「ESD実施計画(改訂版)」以下に、『我が国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画(改訂版)』(通称『ESD実施計画(改訂版)』の中から説明の一部を紹介する。(1)序 連絡会議では、2006年3月に各方面から寄せられた意見等にも十分に配慮しつつ検討を進め、我が国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」に関する実施計画を定めました。 その後の世界の状況を見ると、人口が増加する一方で、地球温暖化は進行し、穀物生産量は伸び悩み、深刻な水のストレス(制約)を受ける人口は増え、生物の多様性は失われています。また、国内では少子高齢化が進む中で、「格差社会」、「無縁社会」といった言葉が広く話題に上っています。持続可能な世界の実現、健康で文化的な生活を保障し、人と人のつながり、人と自然のつながりを大切にする地域づくり、それらの基礎となる教育の重要性は、国際的にも、国内的にも一層高まってきています。2009年にドイツで開催されたESD世界会議で取りまとめられたボン宣言にも、より強力な政治的コミットメントと断固たる行動が求められている、と記述されました。 この度、有識者から成る「国連持続可能な開発のための教育の10年」円卓会議を開催して意見交換も行いながら2009年までの前半5年の評価を行い、それを基に実施計画の改訂を行いました。改訂のポイントは以下のとおりです。・前半5年の取り組みについて追記。・ESDの普及促進をさらに加速させ、ESDの「見える化」、「つながる化」を推進。・新しい学習指導要領に基づいたESDの実践、ESDの推進拠点としてのユネスコスクールの活用など、学校教育を活用してESDを推進。・新しい公共の概念との関係を明記。・2014年の最終年の先も見据えたESDの更なる促進。 政府としては、関係省庁が連携してこの改訂した実施計画に掲げられた諸施策を着実に実施することにより、ESDのさらなる積極的な推進を図り、もってあらゆる人々が質の高い教育の恩恵を享受し、また持続可能な将来と社会の変革のために求められる価値観、行動及びライフスタイルを学び、各主体が持続可能な社会づくりに参加する世界を実現することを期するものです。 なお、2011年3月11日に発生した東日本大震災及びそれに起因する原子力発電所事故、電力不足の状況等は、我が国におけるESDの実施のあり方にも大きな影響を及ぼすものです。 このため、大震災や原子力発電所事故等の経験を基にした教訓や復興についての考え方をESDの推進にどう生かしていくかについては、被災地の安定等を待って改めて議論し、それを踏まえて再度実施計画を改訂することとします。(2)持続可能な開発のための教育とは 持続可能な開発とは、将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代のニーズを満たすような社会づくりのことを意味しています。このため、すべての人が健康で文化的な生活を営むための取り組みが必要であり、貧困を克服し、保健衛生を確保し、質の高い教育を確保することなどが必須です。これらの取り組みは、性別、人種等により差別されず、公平に向上するよう取り組まなければなりません。また、これらの取り組みを資源の有限性、環境容量の制約、自然の回復力などを意識した節度あるものとし、将来世代へと持続する社会づくりとしなければなりません。さらに、戦争や紛争は難民を生み、環境を破壊するため、平和への取り組みが必要です。 以上を踏まえると、世代間の公平、地域間の公平、男女間の平等、社会的寛容、貧困削減、環境の保全と回復、天然資源の保全、公正で平和な社会などが持続可能性の基礎となっており、環境の保全、経済の開発、社会の発展(以下を含め、「社会」を文化の面も含めた広い意味で使います。)を調和の下に進めていくことが持続可能な開発です。 このような持続可能な開発は、私たち一人ひとりが日常生活や経済活動の場で意識し、行動しなければ実現しません。まず私たち一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境との関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革することが必要であり、そのための教育がESDです。そしてこのためには、すべての人に対して識字教育を確保し、質の高い基礎教育を確保することが前提となります。(2011.10.16記)<参考資料>1) 環境省:「(報道発表)「国連持続可能な開発のための教育の10年」最終年会合開催地の決定について(お知らせ)」(2011.9.27)2) ESD-Jホームページ:http://www.esd-j.org/3)内閣官房ホームページhttp://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuren/esd/ugoki.html4)環境省:「(報道発表)我が国における 「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画の改訂について(お知らせ)」(2011年6月6日)5)「 国連持続可能な開発のための教育の10年」関係省庁連絡会議編集:「我が国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画ESD実施計画)」(2011年6月3日改訂)6) 環境省総合環境政策局環境教育推進室:「(パンフレット)地域から学ぶ・つなぐ39のヒント」(2009.3)7) +ESDプロジェクト事務局:「(パンフレット)+ESDプロジェクト ?地球と地域の未来をつくる?」(2011.2)我が国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画(改訂版)1.序2.基本的考え方 (1)経緯 (2)持続可能な開発のための教育とは (イ)持続可能な開発、持続可能な開発のための教育 (ロ)ESDの目標 (ハ)取り組むべき分野 (3)我が国の実施計画 (イ)我が国の実施計画の位置づけ、内容 (ロ)最終年までの目標 (ハ)我が国におけるESD (ニ)我が国が最優先に取り組むべき課題3.ESD実施の指針 (1)地域づくりへと発展する取組 (2)教育の場、実施主体 (3)教育の内容 (4)学び方・教え方 (5)育みたい力 (6)多用な主体の連携、協働 (7)評価4.エSDの推進方策 (1)ESDの10年後半における重点的取組事項 (イ)普及啓発 (ロ)教育機関における取組 (ハ)地域における実践 (2)国内における具体的な推進方策 (イ)ビジョン構築、意見交換 (ロ)協議による政策決定、関係者の主体性の促進 (ハ)パートナーシップとネットワークの構築・運営 (ニ)能力開発、人材育成 (ホ)調査研究、プログラム開発 (ヘ)情報通信技術(ICT)の活用 (3)各主体に期待される取組 (イ)個人、家庭 (ロ)学校、教育委員会 (ハ)地域コミュニティ (ニ)NPO (ホ)事業者、業界団体 (ヘ)農林漁業者、関係者団体 (ト)マスメディア (チ)教員養成・研修機関 (リ)公民館、図書館、青少年教育施設等の 社会教育施設、ボランティアセンター、 消費者センター、女性センター等の 公的な拠点施設 (ヌ)途方公共団体 (4)国際協力の推進 (イ)国連関連機関との連携・協力 (ロ)アジア地域を中心とした地域レベルの協力の推進 (ハ)開発途上国における人づくり等への支援 (ニ)各主体との連携、民間団体の取組の支援 (ホ)国民の国際理解の増進 (ヘ)国際社会への情報発信5.評価と見直し (1)評価 (2)最終年会合までの目標と最終年会合以降の継続性 (3)最終年における評価<表1>我が国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画(改訂版)5)