メカトロクス12月号2011年 page 13/60
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MECHATRONICS 2011.12 13所 在 地:U R L:営業品目:東京都中央区http://www.ot-c.co.jp/可視光通信技術事業/直流電力線通信技術事業、など。株式会社アウトスタンディングテクノロジー・・・・・・・・・・・・・....
MECHATRONICS 2011.12 13所 在 地:U R L:営業品目:東京都中央区http://www.ot-c.co.jp/可視光通信技術事業/直流電力線通信技術事業、など。株式会社アウトスタンディングテクノロジー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・照明光通信という概念は今後重要なキーとなり、近未来の照明インフラは通信インフラと融合してくると考えています。 可視光通信を実現する製品について お聞かせ下さい村山:当社が、照明光通信の高いハードルを越えるために必要だったものは受光感度であり、またある波長域を上手に使う特殊な受光技術でした。市販されている受光素子の特性を色々と調べたのですが、思っていたような製品が見つからず、それでは自社で作れないかと開発したのが、低静電容量反射集光型受光器『LECRP(Low Electrostatic Capacity ReflectionPhotodetector)』です(写真2)。 この製品は、高感度と高速応答性を両立し、銀ミラー反射鏡で高効率に集光します。平面形状で光学的な調整が容易/焦点管理による集熱防止/実装高3mm~の小型対応/赤外~紫外まで対応可能な汎用性の高い機構設計、といった特徴をもっています。受光素子自体は、外部の半導体メーカーに委託していますが、その受光素子を使って最終的には当社で受光器として製品化しています。受光素子は日々進化しますが、この受光器は進化する受光素子の性能に比例し、常に受光素子性能を100 倍程度高める構造になっています。すでに特許も取得済みで、この受光器の開発により、当社が可視光通信分野でさらに地位を確立していくきっかけとなっていきました。 しかし、可視光通信は今まさに黎明期であり、高度な受光器を使いこなす市場の技術土壌も発展途上です。そこで当社は市場の喚起と基礎技術の普及、さらには自社商品ラインアップの拡充のため、受光器の単品販売だけにとどまらず、光/電気(O / E:Optical/Electrical)変換など必要な周辺技術を汎用性のあるモジュールとして製品化、販売を開始しました。 汎用LED 送信モジュール『LEC-RL DV1ch-L』(写真3)は、空間に向けて高速デジタル信号を可視光に重畳するLED 変調器を搭載した発光モジュールです。小型化された反射集光型LED(LEC-RL)を1 個搭載し、高輝度な広帯域増幅器と一体化した小型発光モジュールになっています。特徴は、外形:8×80mm、単一電源:定格 DC7.0V(5.2~8.7V)、高輝度:リフレクタ搭載型470nm 近傍の短波長発光ダイオード搭載、汎用I / F:50Ωラインインピーダンスに整合した出力回路を搭載し同軸ケーブルを直接接続可能、帯域:0.1~10MHzまでの信号を重畳可能、などが挙げられます。 汎用LED 送信モジュール『LEC-RL DV16』(写真4)は、50Ωインピーダンス信号線I /Fから入力された高周波信号を可視光に重畳する高速変調発光モジュールです。小型化された高輝度発光LEDを16個搭載し、広帯域増幅器と一体化した小型変調発光モジュールになっています。特徴は、外形:60×80mm、独立電源:制御電源とLED 電源を独立させ調光制御が外部より可能、高輝度:リフレクタ搭載型470nm 近傍の短波長発光ダイオード搭載、汎用I / F:50Ωラインインピーダンスに整合した出力回路を搭載し同軸ケーブルを直接接続可能、帯域:0.1~10MHzまでの信号を重畳可能、などが挙げられます。 汎用受光モジュール『LEC-RP SM1C-L』(写真5)は、空間に放たれた可視光に重畳された高周波信号を電気信号に変換し、50Ωのインピーダンスとして出力するOE 変換ユニットです。低静電容量反射集光型受光器『LEC-RP』を1 個搭載し、高感度広帯域増幅器と一体化した小型受光モジュールになっています。特徴は、外形:8×80mm、単一電源:定格 DC5.0V(4.8~5.2V)、高感度:可視光帯域全般に渡り高感度で、特に450nm近傍の短波長域でも感度を維持、汎用I/F:50Ωラインインピーダンスに整合した出力回路を搭載し同軸ケーブルを直接接続可能、帯域:0.1~30MHzまでの信号を受信可能、集光:LEC‐RP の高精度集光機能を使い微弱光源の信号/間接光/乱反射光も受信可能、などが挙げられます。 今後の展開についてお聞かせ下さい村山:当社は、照明光通信の研究をスタートさせてから、この通信に必要とされる高度な受光器の開発とそれを活かす汎用性のあるモジュールの開発により、可視光通信全体という概念で技術を提供できるようになってきました(写真6)。その成果として、速度ではインターネット通信が可能な双方向1ch通信の記録において、双方向可視光通信で実効160Mbpsを2009年9 月に達成しました。また距離では、2008 年10月に0.7W のLEDで4,315m の通信距離を達成し、昨年の2010 年12 月には10WLEDで42,190mの通信に成功し、記録を更新しています。 通信速度と通信距離はトレードオフで、このように速度と距離を自在に操ることが今後のビジネスには必要不可欠と考えています。当社の可視光通信技術は、速度と距離の多様な組み合わせにより、様々なニーズに対応することができます。 今後の展開としては、現在、可視光通信を利用して発電所や変電所などの施設内で使用する照明無線LANシステムを関西電力と共同で進めています。特徴としては、投入電力が10W 級の高出力な白色LEDを光源に使用して、無線LAN 並みのデータ伝送速度を実現し、なおかつ通信範囲を広げたことです。2012 年度中には、実際の施設内で試験を行う予定で、当社が今一番力を入れている事業となっています。また、一番現実的でスピーディーに市場に受け入れてもらえるだろうと思われる可視光ID 照明にも力を入れていきます。それから、今後重要視されるであろう水中通信や個別にご相談いただく案件にも幅広く対応して実績を積むことで、認知度を上げていきたいと考えています。 当社としては、現在展開している事業や個別にご相談される案件から生まれた知財や特許、パーツなどをオリジナル商品として商品化し、最終的にはこれらのライセンス販売を目標に考えています。本日はお忙しい中ありがとうございました。写真3 汎用LED 送信モジュール『LEC-RL DV1ch-L』写真4 汎用LED 送信モジュール『LEC-RL DV16』写真6 可視光で可能となる空間統合通信網写真5 汎用受光モジュール『LEC-RP SM1C-L』