ブックタイトル実装技術8月号2021年特別編集版

概要

実装技術8月号2021年特別編集版

481. はじめに　（株）リンクスは、2021 年4月よりINSPEKTO 社（イスラエル）のAI 画像検査装置『Inspekto S70』の国内総代理店として国内販売を開始した（図1）。　本製品は、スマートカメラがもつ「手軽さ」と、汎用画像処理装置がもつ「課題解決力」の両メリットを兼ね備える装置として、「自律型マシンビジョン」という新たな市場を創出し、これまで時間的・技術的制約によって自動化や省人化が叶わなかった課題を解決できる。　本稿では『Inspekto S70』の特徴と、主に基板実装に関しての海外での採用事例を紹介する。2.『 Inspekto S70』の3つの特徴　 ?Just Plug ＆ Inspect?　INSPEKTO 社は、製品開発のコンセプトとして「JustPlug ＆ Inspect」を掲げている。『Inspekto S70』は、マシンビジョンに関わるユーザーの技術レベルを問わない製品であり、時間的制約を乗り越える製品である。このコンセプトが、AIが自律的に学習し検査する「自律型マシンビジョン」の実現を可能とする。　『Inspekto S70』の特徴を下記に紹介する。（1） 1時間で検査開始可能なハード・ソフトウエア構成　本製品は箱を開けてわずか30 分で組み立て完了できるようパッケージ化されている。さらに、GUIも学習・検査のために最適化されており、学習用のワークが手元に揃っている状態であれば、15?20 分で学習が完了し検査開始できる構成となっている。　すなわち、本製品は組み立てから学習、検査開始まで合計1時間で完了できる構成でまとまっており、これは同時にPoC（概念検証）も短時間で完了することを示している。これにより、Time to Marketに大きく貢献することが可能である。（2） 簡単に導入可能なオールインワンパッケージ　本製品は、検査装置として必要なすべての構成品（カメラ・レンズ・照明・PC・内部ソフトウエアなど）を一括で提供する（図2）。これによりユーザーは個別の部材などを選定することなく検査装置を導入可能で、かつユーザーの技術レベルに依らない検査を実現する。（3） ディープラーニングを含む独自AIにより、　　圧倒的に簡易なセットアップを実現　INSPEKTO 社が独自開発したAIでは、「良品のみで学習」するディープラーニングが採用されており、不良品が出づらい品質の高い現場での簡単な学習を実現する。さらに、学習に必要とする画像枚数も少なく、20?30枚の良品画像のみでディープラーニング画像検査における真のスマート化?独自技術“Autonomous Machine Vision AI”で実現する自律型マシンビジョン『Inspekto S70』のご紹介?（株）リンクス / 南　翔汰図1　『Inspekto S70』の外観