ブックタイトル実装技術7月号2021年特別編集版
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実装技術7月号2021年特別編集版
33実態調査から考えるBGA基板の5つのテスト戦略設計・解析・シミュレーション45き、基板の設計は容易になるが、チップ部品の実装時にチップ立ち、クラックなどの実装不良、パッドサイズの小型化によるはんだ不足など、様々な実装トラブルが増えてくる。一般的に0603以下の部品は、手作業によるリペアが困難となるため、実装後のテストと不具合発生時の故障解析により、製造不良を起こさないための的確なフィードバックと最適な設計ルールを決めることが重要になってくる。 BGA部品の狭ピッチ化 次にBGA部品の実態調査を図3に示す。 FPGAやCPUなどのBGAパッケージの狭ピッチ化については、皆さまも実感されているのではないだろうか。BGA端子ピッチの実態調査の結果にも、その傾向が表れており、想像以上にBGA部品の狭ピッチ化が進んでいることが分かった。0.8mmピッチがもっとも多いと予想していたが、0.3?0.5mmピッチのBGAを使用している企業が40%を超えてもっとも多い結果になった。基板設計者の方は、BGAの内側のピンをどのように外側に引き出すか、非常に頭を悩ませているのではないだろうか。 0.5mmピッチ以下のBGA部品は、この数年の経験から実装トラブルが多く発生することが分かっているため、どのような方法でテストして実装保証をするか、もし不良品ができてしまったときに、故障箇所の特定をどのように行うかを、設計時に考慮しておくことが必要になる。 外観検査、目視検査ではBGA部品の検査はできないし、X線検査では微細クラックの検出は難しい。そのため、電気テストがもっとも効果的な検査手法となるが、検査のためのテストパッドを外層に設けると、BGAで使われている高速信号にとってはスタブとなってしまい、信号の反射によりノイズ源となってしまう。 しかし、JTAGテストは、BGA部品自体をテストプローブとして扱える電気テストとなるため、BGA実装基板のテストとデバッグには最適な検査手法になる。 プリント基板の高密度化と 1チップ化 次にプリント基板のピン数に関して、2007 年と2020 年の実態調査の結果を比較してみよう。 図4に示すプリント基板のピン数の変化については、2007 年のピークが5,000ピン以下であったが、2020年のピークは1,000ピンと減少している。また、図5に示すネット数は、2007 年のピークが2,000 本という結果に対して、2020 年は1,000 本以下に減少していることが分かった。 2007年頃の産業機器では、主な部品構成として、マイコンとFPGAをそれぞれ実装した基板構成が一般的なものであったが、2020年にはArmプロセッサを内蔵したFPGAやアンドールシステムサポート(株)図3 実態調査結果 BGA部品の微細化図4 実態調査結果 プリント基板のピン数図5 実態調査結果 プリント基板のネット数