ブックタイトル実装技術6月号2021年特別編集版
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実装技術6月号2021年特別編集版
281プリント配線板製造の動向を探る12 まえがき スマートフォン(以下、スマホ)に関する無線技術で「ミリ波」という単語を耳にして久しいが、本日現在ミリ波を活用したスマホが広く普及しているという話を聞くことがない。「ミリ波」とはその名のごとく電波の波長がミリ単位の電波、すなわち周波数が30GHz以上300GHzまでの電波を指すものである。 話は脱線するが「ミリ」より小さい「マイクロ」という単位を冠した「マイクロ波」と言う電波が電話局間通信や衛星放送用などに使用されているが、波長はミリではなくセンチ単位である。このことは当時の技術では「ミリ波」という電波の利用は技術難度が高く、これ以上小さな波長を扱うことが無いであろうと考えたからではないかと想像する。ミリ波は近年になり5Gに代表される次世代通信規格を実現するために技術開発されてきたため、まだまだ広く普及するには至っていない。図1に電波の名称と波長・周波数を表す。 移動体通信規格 2020 年から営業サービスが始まった「5G」とは英語のFifth Generation(第五世代)の頭文字からとった単語であり世界中で使われている共通語である。移動体通信の歴史を簡単に説明する(図2)。5G対応高周波基板材料とAiP(Antenna in Package)の動向NPOサーキットネットワーク / 梶田 栄図1 電波の名称と波長・周波数