ブックタイトル実装技術4月号2021年特別編集版
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実装技術4月号2021年特別編集版
41が多いと、銀インクの消費量が多くなるので、少しでもコストダウンをするために、電極パターンを格子状にすることが行われている(図3)。 メンブレンスイッチといえども、銀インクを使う限り、マイグレーションの問題からは逃げられない。メンブレンスイッチのマイグレーション現象を抑えるためには、銀導体の上に、カーボンが重ね印刷されることが多い。カーボンインクの重ね印刷には、パターンズレが0.2mm未満に抑えることが必要であるが、耐熱性が低い大型のPET基材の回路で実現するのは案外むずかしい。図4 の例では、1 枚の大きなPETシートの上に、上部電極回路、下部電極回路を、それぞれ、1回の銀インクの印刷とカーボンインク印刷で、一気に仕上げてしまう。その後、折り紙ののように折り畳み、一つのタッチスイッチモジュールを作り上げている。 スペーサシートには回路がないので、特に印刷加工は必要なく、刃型などを使って、パンチング加工を行うだけである。ただ、高い気密性が求められる場合には、スペーサになるPETフィルムの表面に、あらかじめ、粘着シートと離型シートをラミネートした上で、パンチングを行って、外形と電極部の穴を形成する。 メンブレンスイッチは、の表面には、適用する機器の目的に応じて、意匠パターンを印刷した上で、さらに粘着材をかける。表面シートは、利用者が直接触れるところなので、触感をよくするためにマット処理(光沢除去)を施したシートを使うこともある。色彩の関係で、ツルツルした表面を、利用者が好まないというような要因もある。 メンブレンスイッチの問題として挙げられるのが、スイッチングの確認である。スイッチが入っても、それが確認できないことである。指で押しても、上部電極のたわみ量はわずかなものなので、スイッチングを指の感触として捉えることができないのである。技術的に簡単なものとしては、回路中に電子ブザー(チャイム)やLEDを組み込み、音や光でスイッチングを確認するものである。それでも、個別部品を組み込むのであるから、そのコストは無視できるものでは無い。そこで、追加コストを最小限に抑え、かつスイッチングを確認できるメカニズムとして考案されたのが、表面シートの電極部分にディンプル加工を施し、指で押した時にクリック感をだすようにした構造である(図5)。ディンプル構造は、金型を使ったパンチングで一気に作れるので、コストアップはわずかなものである。ディンプル構造のクリック感では不十分なようであれば、電極部の上に金属製のドームを置くようなアイデアもある(図6)。図6 メンブレンスイッチの基本構成(ドームスイッチタイプ)図5 表面表示シートのディンプル加工図4 1枚の片面銀インク/カーボンインクの厚膜回路を折り曲げて形成したメンブレンスイッチ図3 メンブレンスイッチの基本構成B表面印刷シートと網目状の電極パターン