ブックタイトル実装技術4月号2021年特別編集版
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実装技術4月号2021年特別編集版
15画像でひも解くクリーンルームでの発塵理想的な製品製造現場の実現のために この纏わりつきは数分間にも及ぶ。さらに塵埃は無塵服に付着し、作業者の歩行や動作によって移動し拡散することになる。4. 気流の乱れによる塵埃の動き 図4に塵埃にコットンリンターを用いて散布し浮遊させ、斜め上からおおよそ0.15m/sの小さな気流の変化を与えたときの塵埃の動きを示す。 図中左の気流が大きい領域では塵埃の画像も中央部の浮遊域に比べて移動速度に応じて長くなり、気流速度の差によって渦状に動いていることが分かる。 一般に塵埃は軽いので、気流に乗って動き回る。クリーン化にとって気流の流れを知ることは、気流を制御することで製品の異物汚染防止に繋げることが可能となる。5. 足踏み動作による塵埃の舞い上がり 図5に塵埃として用いたガラスビーズ(代表粒径50μmφ)を床面に堆積させた後、作業者がその位置で片足での足踏みした時の塵埃の舞い上がりを示す。 足踏みしたときの気流の発生で50μmの塵埃は前方向に流れるだけではなく前方約2m先まで達している。また、一部はおおよそ腰部まで舞い上がっていることが分かる。 このように床に堆積したビーズは歩行動作によって舞い上がり歩行で発生した気流に乗って飛散する。また、歩行すると足脚の後ろ側も、引きずるように後方2mまでビーズが浮遊することが確認される。さらに、これらの舞い上がった塵埃は当然ながら無塵服靴や作業者の足脚にも付着する。 この動画撮影後、無塵靴と無塵服の足脚の部分をはたくと相当な塵埃が付着していることが確認された。このことからエアシャワー内で作業者の上半身の塵埃を落とすことも大事だが、それ以上に足脚部の除塵がさらに重要である。 一般に歩行動作は気流の乱れの原因なので、塵埃を舞い上げてしまう。これに対して、歩行や作業動作をゆっくり行うことで塵埃の舞い上がりを抑制することができる。クリーンサイエンスジャパン図2 エア吹き出し口の気流の動き図4 気流の乱れによる塵埃の動き図3 作業者による塵埃引き寄せ動作による塵埃の乱れと浮遊 図5 足踏みした時の塵埃の舞い上がり