ブックタイトル実装技術3月号2021年特別編集版

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概要

実装技術3月号2021年特別編集版

35によって行っている。フラックスペースト印刷に用いられる版は、ステンレス薄板にドット孔を明けたステンシル版(またはメタルマスクともいう)を用いることから、別名でステンシル印刷とも呼ばれることもある。 BGA用では100?300μmのボールを使うため、スクリーン印刷でも充分な解像性と印刷位置精度を持っている。このサイズのボール径のものを扱うならスクリーン印刷で何の問題もない。 ボール径が小さくなるにしたがって解像度と印刷位置精度の要求が厳しくなる。スクリーン印刷の解像度の限界は、一般的には70μm 程度と考えられている。我々の知るチャンピオンデータは45μmである。 スクリーン印刷では基板と版の間には数mm のギャップを設ける。インク(この場合はフラックスペースト)をスキージする際に版を若干歪ませることになる。これが印刷位置精度を悪くする要因である。 フィルムなどのフレキシブル基板の場合は、基板を円筒面に沿わせることでギャップレスにすることも可能だが、ウエハなどのリジット基板ではそれができない。 また高解像度版では、孔径と孔の深さ(=版厚)の比を下げるためにより薄板が用いられる。版が薄いと変形もしやすくなり、スキージを繰り返すことで塑性変形が生じる懸念もある(図1)。3. グラビアオフセット印刷法 グラビアオフセットは、細線や微細ドット印刷に適した印刷法としてPE の初期から用いられてきた印刷法である。主にAgペーストを用いた回路配線印刷に利用されてきた。 単独線で6μm、Line&Spaceで20/20μmの回路形成が可能である。また、ドット印刷ではφ10μmを成功させたこともある。 グラビアオフセット印刷では、パターン形成されたガラス製の凹版を用いる。ブランケットで版からのインクを受理(OFF)し、基板の転写(SET)する。凹版がグラビア、受理・転写でオフセットというわけでグラビアオフセットという(図2)。 スクリーン印刷は、孔版にインクを通過させればよいだけなのでインクの粘度などの許容範囲が広い。 一方グラビアオフセット印刷は、ブランケットでの受理・転写を成立させるために溶剤、粘度に厳しい制約がある。そのためインク開発も重要な要素になる。 グラビアオフセットの利点は、なんといっても微細化と印刷位置精度にある。微細なドット印刷には特に適している。 回路配線の場合、Lineの方向によって適、不適があり、設計ルールで配慮しなければならないなどの欠点がある。ドット印刷ではそのような配慮が不要である。狭ピッチにも強い。 印刷位置精度も良好である。グラビアオフセット印刷では、ガラスの凹版を使うので、スクリーン印刷に見られるような版の変形が原理的に生じない。 我々はこのグラビアオフセットの技術を用いてφ30μm、ピッチ60μmのボール搭載に挑戦した。写真2 グラビアオフセット印刷機『PEPIO-F15』 図2 グラビアオフセット印刷法図1 スクリーン印刷法