ブックタイトル実装技術3月号2021年特別編集版

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概要

実装技術3月号2021年特別編集版

18プリント配線板技術12   はじめに 「人生感動の温もり一生大事」。感動は人との出会いから生まれ、支えられ助けられ、人も企業も成長する。だからこそ感謝して、未来に多くの出会いを大切にするきっかけになればと感動の心で運を引き寄せてきた創業者の信念である。 この創業者からの教えがあり、私自身が多くの人と出会うために率先して全国を巡り、お客様や取引先様、また異分野のいろいろな人たちとの出会いに感謝しながら仕事をし、少しは人の成長と事業の成長ができているのではないかと考える。 多くの人との出会いや支えに助けられ開発を進めてきた1つの開発品が透明フレキシブル基板『SPET』である。透明フレキシブル基板『SPET』を写真1に示す。 もともとフレキシブル基板は、電子機器の中で使われることが多いため、基板自体を目で見ることはない。 私がこれまで開発に携わってきた製品は、黒子の開発ばかりで、異業種の人たちに何の職業をしているのかを説明する時に「目で見える商品を開発できれば良いな」と常に想っていた。透明フレキシブル基板は、その想いを具現化した製品である。 いまでは高耐熱透明フレキシブル基板、透明ヒータフィルム、透明アンテナ向けフィルム、3次元立体配線用フレキシブル基板などもラインナップに追加された。 今回は、これら透明フレキシブル基板『SPET』シリーズについて紹介する。   透明フレキシブル基板 透明フレキシブル基板は、透明なサブストレートフィルムをベースとして、導体を形成したフレキシブル基板のことを表す。 表1に、透明フレキシブル基板の組み合わせ一覧を示す。透明なサブストレートフィルムは、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、液晶ポリマ(LCP)、ポリエーテルサルホン(PES)などの基材を用いる。 その基材上に、酸化インジウムスズ(ITO)、銅箔、導電性インキ(PEDOT)、銀ナノインクなどで導体を形成する。 その導体の加工方法は、フォトリソグラフィ、印刷、めっき、スパッタなどが挙げられる。 さらに導体を保護する目的などから導体上に絶縁層を施すことが多い。その絶縁層は、カバーレイ、フォトリソグラフィ、印刷などの工程で形成する。 このように透明フレキシブル基板は、基材+導体+加工+絶縁の組み合わせを基本として構成している。どの組み合わせにおいても優劣があるが、最終製品に合わせて最適な組み合わせの透明フレキシブル基板の構成を決定する。 透明フレキシブル基板『SPET』は、基材にPET+導体に銅透明フレキシブル基板『 SPET(Super-Polyethylene-Terephthalate)』シライ電子工業(株) / 岡田 浩一写真1 透明フレキシブル基板『SPET』表1 透明フレキシブル基板の組み合わせ一覧