ブックタイトル実装技術2月号2021年特別編集版

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概要

実装技術2月号2021年特別編集版

16検査技術12   はじめに 昨年から続く、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、私たちの日常は一変した。多くの企業ではテレワークを導入し、WEB会議やクラウドサービスを用いたデータの共有があたりまえとなった。学校では、オンライン授業が行われ、プライベートでのコミュニケーションにおいては、SNSやテレビ電話がより一層浸透した。これらの変化により、ネットワーク環境を構築するための通信インフラの重要性は増し、5G関連をはじめとする、様々な通信機器に対しての品質意識は高まりつつある。 上記を背景とし、自動車や医療機器といった従来から高い品質を要求される分野以外の製品に対しても、高品質化を求める声は高まり、電子基板生産において品質保証の役割をもつAOIに関しても、より高機能なものが必要とされている。 当社では、3Dハイブリッド光学外観検査装置『YSi-V 12MTypeHS2』を、2017 年にリリースし、その後もバージョンアップを続けることで、2021年現在においても、最先端のSMT生産ラインの品質、及び生産性に追従できる3D AOIとして、多くのお客様のSMT生産工程にてご使用頂いている(写真1)。   3Dハイブリッド光学外観検査装置   『YSi-V 12M TypeHS2』の新機能 『YSi-V 12M TypeHS2』は、実際に使用されるお客様の声をもとに、進化を続けてきた。今回は、下記の新たな3つのソリューションに関して、紹介する。(1)AI検査ライブラリ自動マッチング(2)DIP基板データ自動作成(3)N点照合1. AI検査ライブラリ自動マッチング 「生産現場で、AIを活用する」という言葉を良く耳にするが、本当にAIを活用できている例は非常に少ない。今回、『YSi-V12M TypeHS2』では、AIの Deep Learningを活用することで、もっとも手間のかかる検査機のデータ作成の多くの作業を自動化することに成功した。 AOIを使用して電子基板の検査を行うためには、何千点も搭載されている様々な形状の部品に合わせて、適切な検査データを1つ1つ作成する必要がある。この部品ごとの検査データを作成する作業は、SMTラインを構築する装置の中でも、もっとも大変な作業の1つであるといえる。 『YSi-V 12M TypeHS2』では、「標準検査ライブラリ」という各部品形状に応じた検査データを予め用意しておき、検査対象の部品に合致するデータを選択することで、検査プログラムを簡単に作ることができる。 この検査プログラムの作成方法は、他の従来のAOIに比べると、非常に優位性のある手法であったが、この「各部品に対して正しい標準検査ライブラリを選ぶ」という行為に時間がかかってしまっていた。3Dハイブリッド光学外観検査装置「 YSi-V TypeHS2」を用いた最新検査システムヤマハ発動機(株) / 渡邉 賢一写真1 3Dハイブリッド光学外観検査装置『YSi-V 12M TypeHS2』