ブックタイトル実装技術1月号2021年特別編集版
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実装技術1月号2021年特別編集版
51常が見られなかったこと、及び熱膨張係数差が大きく接合面積も広いことから、放熱経路であるセラミック基板下の高温はんだ層が弱点箇所であると推定し、超音波顕微鏡とX 線CTを用いて非破壊解析を実施した(図1点線枠内。超音波顕微鏡は矢印方向より観察)。以下の解析では、全てセラミック基板下はんだを対象としたデータを示す。この際、劣化の定量的指標として、空隙率(ボイドやクラック、剥離を含む)を採用し、その変化の大きさを劣化として定義する。3. 気槽熱衝撃試験品の解析1. 超音波顕微鏡による解析結果 超音波顕微鏡は、界面の接合・密着状態を把握することに適している。図3、図4に気槽熱衝撃試験品の初期と1000cyc後の状態を示す。両者のリードフレーム側界面を比較すると、1000cyc後は、初期と比較して白色の空隙部分が増加し、空隙率が増加していること、及び空隙が界面全体に広がっていることが確認できた。両者のセラミック基板側界面を比較すると、こちらの界面も空隙が増加していることが分かった。また、1000cyc後のセラミック基板側界面のデータは、直上のリードフレーム側界面の空隙によって、その分情報が欠落していることを考慮すると、空隙率の数値以上に劣化が進んでいることが推定される。従って、リードフレーム側界面だけではなく、はんだ層全体に劣化が起きていることが推定される。2. X線CTによる解析結果 X線CTは、立体的構造把握に適している。図5に気槽熱衝撃試験品の初期と1000cyc後の状態を示す。初期と比較すると、1000cyc 後では、クラックの発生やボイドの変化などが見られた。端部と内部を拡大して確認すると、特に、フィレットにクラックが多数発生している、端部の劣化が顕著に見られた。空隙率は1000cyc後に0.61%増加しているが、超音波顕微鏡における空隙率の変化と比較すると、大きな隔たりがあることが分かった。 次章にて、両装置の検出原理から、なぜ結果に差異が生じたのかを説明する。図4 セラミック基板側界面の超音波顕微鏡像 図5 X線CT像図2 超音波顕微鏡(C-SAM GEN6、左)とX線CT装置(FF35 CT、右)の外観表2 非破壊解析装置の特徴図3 リードフレーム側界面の超音波顕微鏡像