ブックタイトル実装技術1月号2021年特別編集版
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実装技術1月号2021年特別編集版
45上面と合わせてX 線で検査を行うケースが増加している。この一括検査には多くの課題があり、それを以下にリストアップした。① 2層はんだの分離検査CT 撮影による検査時間の増加CTなどの長時間撮影によるダメージ② DBCの導体厚み増加金属圧増加による積算時間の増加③ ピンフィン構造画像処理方法の改善 LEDではIGBTとは違う課題がある。① チップサイズに合わせた高倍率検査ヒートシンクによる線量低下と相反する高倍率検査② 欧州で要求の高まるはんだ厚管理インラインでのチップ下はんだ厚検査3. 車載向けX線検査装置の 技術トレンド○IGBTでのCT検査の技術的なポイント IGBT の検査ではCTでの検査が必須となるが、インラインでのCT 撮像で用いられる手法は、ラミノグラフ技術と呼ばれる。コーンビームCTといわれる人間のCTとは違い、X線とカメラを平面内で移動させて撮像を行うことで、メカ構造の単純化とCT 再構成の高速化を両立できる優れた技術である。一方、360 度から画像を撮影するコーンビームCTに比べて、ある特定の角度からの画像しか取得できないために、水平断面の再構成に特化した手法であるといえる(図3)。 IGBT の検査でラミノグラフ技術が用いられる理由としてはコーンビームCTに比べて、X 線とカメラの距離を短縮可能で、透過率の悪いワークでも短時間での撮影が可能であることももう一つの要因である(図4)。 また、IGBT の検査ではX 線の照射方向が重要なポイントである。図5にIGBTにX 線を下から照射したときと、上から照射したときの被ばく量の違いを示す。X 線をIGBTに下から照射すると、X 線はヒートシンクに吸収されて、非常に減衰したX線がトランジスタに達する。一方、上からX 線を照射すると、減衰前の非常に多量のX線がトランジスタに達し、トランジスタの信頼性の低下を招く。多量のX線を照射したトランジスタではジャンクション電圧等の変動が起こることが知られていて、これが製品の長期信頼性を大きく損なう。 X線の被ばく線量を低下させるには、亜鉛などのフィルタが有効であると言われているが、IGBT の場合ヒートシンクを透過するだけの十分な線量が必要なため、強力な亜鉛フィルタは入れることができない。加えて、亜鉛がフィルタ効果を発揮するのは30keV 以下のエネルギーのX 線に対してなの図5 X線の照射方向による被ばく量の違い図4 同一倍率でX線とカメラの距離による違い