ブックタイトル実装技術1月号2021年特別編集版

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概要

実装技術1月号2021年特別編集版

41【工程の自動化と生産性について】自動化のメリットとデメリットはんだ関連技術34か、直接当社へ問い合わせていただきたい1)。 これまで人件費の安かった海外の拠点においても、人件費の高騰は問題となっており、これまでのような生産体制を確保できなくなってきた。 また、世界的に働き方の多様性は増しており、人手不足は一過性のものではなく、むしろ今後は更に大きな流れとなっていくと予想される。 このような状況下では、生産性を確保することも、問題が解消されるまで未来に期待することもできない。 そこで工場の自動化がさらに注目されたのである。   生産性と自動化 生産性の向上という言葉はよく聞くことと思う。そして実際にどの企業でも生産性の向上には取り組んでいるのをよく見かける。では何をもって「生産性が向上できた」と言えるのだろうか? この答えは製造業においては簡単である。製造業のおける生産性の向上は、「製造量の増加」である。つまり、以下の計算式で現すことができる。 『生産性 = 製造量 ÷ 生産資源』 ここでいう「製造量」とは、製品の数量である。では「生産資源」とは何であろうか?「生産資源」とは、製品を製造する為に必要な、原材料や人件費、製造設備や電気代などである。 生産性を向上するためには、製造量は増やす他にない。生産資源をどう減らせるか、が重要になってくる。 原材料のコストダウンは、これまでも行ってきたことであろう。 すでに限界に近いと感じる。これ以上、原材料からコストダウンを行えば、品質に問題が出てくるからだ。 また、製造設備を減らすこともできない。製造量に直結するからだ。場合によっては設備投資を行い、製造量を増加させて、早めに償却するのがもっとも効率的である。 そうすると、残っているのは人件費である。かといって人手不足な状況であるから、直接的に人を減らすことはできない。 むしろ、「その作業に従事する人数」や「作業に掛かる時間」を生産資源として減らしていくことで、生産性を向上させるべきである。 この部分こそが、工場の自動化に向けた重要なポイントであり、生産性を向上させることに繋がる。 つまり、費やす人的資源に対して、製造量の比率を上げることができれば、生産性は向上するのである。   自動化のメリット 生産性を向上させることによって、得られる利益が増大することが見込める。しかしそれは、品質が担保されている事が条件となる。 これまでは、人手を介して生産性(=製造量)を向上させた場合、品質が不安定になり利益が最大化できないことがあった。 工場の自動化では、これを解消できる事が最大のメリットとなる。つまり、工場の自動化における最大のメリットは、製造した製品品質を安定的に担保できること、このことに尽きる。 そのためには、これまでのように業務に関わる従業員が、それぞれ独自の方法で作業を行っていては達成できない。このような場合は、作業速度や技術力・技能力にばらつきが生じ、品質が安定しないからだ。 ノウハウや高い技術こそ、標準化して全従業員で共有することが重要だ。その共有に必要な「ツール」として、システムの導入、画像や動画など、社内インフラを整えていくことが重要である。 特に品質に直結するであろう「4M」については自動化や機械化を行うと良い。製造に関わるトラブルは、この4Mに起因していることがほとんどだからだ。 ちなみに4Mとは、 ?Material : 原材料 ?Machine : 機械設備 ?Method : 作業方法 ?Man : 作業者の4つで、近年ではさらに ?Media : 情報 ?Management : 管理 ?Environment : 環境(一社)実装技術信頼性審査協会、STC ソルダリング テクノロジ センター