ブックタイトル実装技術1月号2021年特別編集版

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概要

実装技術1月号2021年特別編集版

18■ はんだぬれ性試験機 『 5200Advanced』 同社では、はんだぬれ性試験機として、普及型の『5200TN』、はんだ層平衡法に特化し低コストを実現した『5200ZC』をラインアップしているが、『5200Advanced』は電子部品や電極部の小型化にいち早く対応した製品で、きわめて高い感度を実現した最高感度機。スマートフォンなどのモバイル機器向け極小電子部品や多ピン狭ピッチコネクタ端子などの小さな電極に対するはんだのぬれ性を計測する専用機として開発され、0201サイズのチップコンデンサやφ0.1mm 線材なども測定することができる。 ぬれ力の検出精度は、従来の10μNから1μN へと高精度化。図1はφ0.1mmの銅線を測定した際のぬれ力波形データであるが、未洗浄状態に対し、洗浄後の銅線はぬれが速い(=立ち上がりが急激である)ことがわかる。この測定におけるぬれは8msであるためこのレベルの時間軸変化を計測できる装置が必要といえるが、従来機では同様の測定を実施しても装置の応力に対する反応速度が追従できず、図2 の右手側グラフのようにぬれの立ち上がりが遅くなってしまう。これにより、さらにぬれの早いもののはんだぬれ性試験機(株)レスカ評価にはより高性能な装置が必要といえる。なお、はんだ付けにおけるぬれ速度は、部品が温まってから溶融したはんだがぬれ始める過程となるため、部品形状が小さいほど熱容量が小さく、ぬれが早い結果ともなる。このため、極小部品の計測においては、電極面積の小型化によりぬれ面積の減少から、微小なぬれ応力を検出する精度が求められると同時に、数m・secで発生するぬれ挙動を検出できる応答感度が求められるのである。 本製品の測定状況は400fps高速カメラで計測も行え、実際にはんだがぬれ上がる状況の観察でき、ぬれ力波形グラフと連動した確認が可能。対象となる測定物重量は0.35gで、小型部品を高感度に測定できる。 測定方式は、はんだ層平衡法の他、はんだ小球平衡法にも対応。表面実装部品の評価において、実際のリフロー工程同様にソルダペーストとの組み合わせで評価を行うことは重要で、国際規格においてもソルダペーストとの組み合わせにおける評価では1005 サイズ以上が対象で、極小電子部品ははんだ層平衡法を用いる必要がある。これは電子天秤の応答性や精度の関係もありやむを得ない選択といえるが、本製品はその常識をうちやぶり、0402サイズ以下においても、ソルダペーストとの組み合わせで極小電子部品のぬれ性をリフロート炉と同様に昇温プロファイルを設定し加熱過程を再現し、その過程におけるぬれ性を評価できる。特に、ぬれ波形と連動した400fps高速カメラ計測によりソルダペーストの溶融過程やその後に極小電子部品に生じるぬれ過程を、ぬれ波形グラフからの想像のみでなく実際の映像として確認することができる(図3)。                  <請求番号 A7012>PR図1 Φ 0.1mm銅線の小球法結果(※画像は4ms 間隔)図2 0402Cの小球法結果(※画像は4ms 間隔)図3 0402CとType6 ソルダペースト