ブックタイトル実装技術10月号2020年特別編集版

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概要

実装技術10月号2020年特別編集版

393. 熱伝導と応力緩和 放熱材料は熱を素早く拡散させるのも重要だが、信頼性も考慮する必要がある。発熱体との組み合わせが重要となり、発熱体との熱膨張率差が小さければ良いが、多様な材料の組み合わせにおいては、お互いの応力のバランスに留意する必要がある。 表3に各部材の熱膨張率と弾性率を、表4には次世代パワーデバイスの候補材であるGaNチップと各放熱材料を単純に密着、接合させた場合のGaNチップにかかる200 ℃での熱応力の計算結果を示す。 熱応力は熱膨張率と弾性率から算出した。グラファイトは低弾性率、つまり柔らかさにより温度変化による応力の緩和からチップやはんだ接合部などへの高い信頼性が期待できる。 以上のように、高熱伝導グラファイトは放熱材として非常に魅力的な特性を有するが、非常に脆くパーティクルを発生しやすい、他材料との親和性が低くなじみにくいなどにより、構造部材として機能付与を考えた場合、異種材料との複合化技術が必須となる。3.『COMPOROID』 当社の『COMPOROID』には高熱伝導グラファイトと異種材料との接合とコーティングの2 種類があり、複合界面の熱抵抗を極限まで下げることで高熱伝導グラファイトの特徴を最大限に引き出すことができる複合化技術を最大の特徴としている。図3に示すように用途や仕様に応じて相手材やサイズ・厚みを選択することで熱伝導率・伝熱方向・メタライズ・絶縁性といった特性を自由に設計することができる。表4 各構成の熱応力図3 『COMPOROID』の設計バリエーション表2 高熱伝導グラファイトの伝熱コントロール図2 高熱伝導グラファイトのIR熱画像 表3 各部材の熱応力