ブックタイトル実装技術9月号2020年特別編集版

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概要

実装技術9月号2020年特別編集版

241. はじめに 山形大学時任研究室(以下、時任研と略す)の紹介として、これまで有機半導体、及びSi のICを内蔵したフレキシブル回路、曲面を含む印刷技術、バイオセンサなどを取り上げてきたが、最終回として、印刷技術を用いた各種のセンサを紹介したい。2. 有機CO2センサ 地球温暖化の原因となるCO2 の濃度の検出や、ハウス栽培での植物の成長や品質向上のためCO2 濃度の管理は極めて重要である。時任研では、プラスチック基板上の電極に、酸化カーボンナノチューブを含んだ有機材料のPEDOT:PSS膜をスピンコートし、高分子/銅キレート剤からなるCO2 感応膜を積層化したCO2センサを開発した。 図1(A)は反応機構とセンサの構造である。図1(B)は、注入したCO2と電極間の抵抗値の関係で良い相関が得られている。検出上限は5000ppm程度で、農業分野で必要とされる範囲をカバーできている。3. RNA/DNA配列の異常検出 近年、18?25個の塩基程度の短いRNAが、遺伝子発現制御に関わっていることが明らかにされ、血液、唾液、尿に含まれるマイクロRNAはガン診断のバイオマーカーとして注目されている。本研究では、DNA の核酸を電気化学的に検出するポテンショメトリー法を開発した。 センサのチップとして、基板に金蒸着しその上に目的とする核酸をハイブリダイゼ?ションで捕捉するプローブDNAを固定化した。 Ag / AgCl 参照電極とともに水溶液に浸し、デジタルマルシリーズ・さまざまな研究所を巡る(第19回)プリンテッド・エレクトロニクス技術開発で世界をリードする山形大学時任研究室(その4)厚木エレクトロニクス / 加藤 俊夫図2 マイクロRNAの検出法と検出したデータ(資料は時任研のご提供による)図1 CO2の濃度を検出するセンサと得られた結果(資料は時任研のご提供による)