ブックタイトル実装技術7月号2020年特別編集版
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実装技術7月号2020年特別編集版
19システム設計(MBSE/MBD)を見据えたモジュール化設計の検討とアディティブ・マニュファクチャリング技術の活用設計・解析・シミュレーションント基板の協調設計、基板とメカ筐体の干渉を確認するエレメカ協調設計など、複数の設計対象を含むシステム全体の設計/検証/レビューが可能となっている。各種基板設計間の連携、同時並行による設計の水平分業、電気系PLM(ProductLifecycle Management:製品ライフサイクル管理)である「DS-2」5)を介することで社内の購買システムと連携した部品情報管理、設計成果物管理、設計要件管理を効率的に行うことができる。 このように設計環境やツール、いわゆる箱としてはMBSE/MBDができる環境が整っているものの、現実的には業界全体で分業化が進みデータ化・モデル化が進んでいないと感じる。 図3は25年くらい前に書いた一般的なプリント配線板の設計工程フロー6)であるが、レイアウト設計工程への入力情報は、外形図、機構図、回路図、部品リスト、個別仕様書、基板製造・部品実装基準など多くが図面や文書となっている。また製造工程への出力は、ガーバーデータやメタルマスクデータ、部品座標リストとなっており、汎用性はあるものの、せっかくCADデータで持っている多くのプロパティが欠落した状態で渡されるのはもったいない話である。 開発案件が多く、設計の難易度がそれほど高くない場合、モノづくりが円滑に進むための設計基準を作り、レイアウト設計者は与えられた条件の中で設計するという役割分担であると設計効率は良い。しかし、なぜそのような寸法になったのか、なぜそのような基準が採用となっているのか理由や背景を知らなければ、改善のための提案や、最適な落としどころにたどり着くことができないし、何か変更が必要になった場合、その影響範囲がどこまで及ぶかなどが分からないままとなってしまい、後から大きな問題として浮上することになりかねない。 セットメーカーの内部で設計する場合はどんな用途で使う基板か分かって設計することが多いと思うが、設計ビューロの場合は守秘の関係などで(株)図研図2 MBSE/MBDのためのCR-8000 Design Force図3 一般的なプリント配線板の設計工程フロー