ブックタイトル実装技術5月号2020年特別編集版

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概要

実装技術5月号2020年特別編集版

31ためのencoder-decoderモデル(図1)で、医療用のセグメンテーション(特に、細胞のセグメンテーションなど)で成果を上げている。 本稿では、はんだ接合部における高品質で迅速な検査の必要性を考慮し、深層学習を用いたアプローチとして、医用画像解析で実績のあるU-Netを用いて、X 線画像からボイドを高精度に抽出し、従来の検査時間を大幅に短縮することが可能となるプロセスを開発した。2. U-Netを用いたボイド領域抽出アルゴリズム 本稿におけるU-Netの教師あり学習について示す。図2 教師あり学習の概要図3 データ拡張の手法 教師あり学習は、機械学習の手法の一つであり、図2に示すように、大量の生データを用いてデータセットを構成し、「例題」とみなして訓練を行い、新規データが与えられた時に判断ができるようになるという学習手法である。 まず、U-Net の訓練について示す。使用するデータセットについては、様々なX 線画像およびボイド領域検出結果(手動で検査したデータ)を数千枚準備した。次に、図3に示すように、それらを256pixel×256pixel のパッチ画像にランダムクロップし、回転・拡大・縮小などのデータ拡張により、数十万枚のデータセットを生成する。その内の7 割を訓練データとして使用し、U-Netを訓練する(残りの3 割は、テストデータとする)。 教師データとしての領域マスク画像とネットワーク出力としての領域マスク画像間のDice 係数として、学習時の損失関数をDice係数×(?1)とする。