ブックタイトル実装技術4月号2020年特別編集版
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実装技術4月号2020年特別編集版
これあれ塾前田真一の最新実装技術連 載第109回 電動化の流れ1?? ????????のC??2?????? 旅客機のCO2排出量は、定員が乗車した場合、1 人あたりで考えると意外と少なく、燃費の良い自動車以下です(図1)。 当然、電車は電動なので、直接CO2 排出量は少ないです。さらに、大量の人員を同時に輸送できるので、一人あたりのCO2 発生量は格段に少なくなっています。電車は、インバータ方式や、車両の軽量化など、省エネが進み、発電所で発生するCO2を考慮しても、自動車や飛行機より格段に効果的な交通手段になっています。 そこで、人員だけでなく、貨物を含めての交通機関のCO2排出量を調べてみます(図2)。自家用自動車は圧倒的に数が多いので、二酸化炭素排出量も圧倒的に多くなっています。二酸化炭素は交通機機関ではなく、工場や家庭、その他いろいろなところで発生されます。 同じ国土交通省の資料から、日本での二酸化炭素排出量を見てみます(図3)。運輸部門は二酸化炭素総排出量の約18%を占め、自動車はそのうちの86%(日本全体の15.4 %)を占めています。このため、自動車二酸化炭素排出量削減はもっとも必要性が高くなっています。 しかし、航空機と船の輸送はおのおの、運輸部門の4.8 %、4.9%となっています。この数字は、国内輸送だけなので、国際線旅客機や、海外クルーズ船、タンカーなどの国際輸送は含まれていません。 また、漁船などは、運輸部門ではなく、産業、プレジャーボートなどは、その他の部門に含まれています。2?? ??の???? 船舶の燃費は良くありません。大気中を飛行する航空機や、タイヤの回転に対する摩擦力で運動する車両に比べ、水の抵抗は非常に大きいためです。一説によると、クルーザーや内航船などの燃費はリッターあたり数百mといわれています。出光のHPによれば、大型タンカーでは、リッターあたり7mとあります。 船舶は、ほぼすべてが、個別仕様で自動車はもとより、航空機ほどの同一仕様はなく、しかも最新のものから船齢50年以上の旧型船も多く、燃費もまちまちです。しかも、航空機以上に海流や風、天候条件により燃費が変化します。しかし、これだけ多く定期便が飛んでいる航空機と、フェリーや内航船の二酸化炭素排出量がほぼ同じということは、船舶の燃費の悪さを示しています。 これまでも、主に二酸化炭素排出問題でなく、経済性の面から、船舶の燃費改善は特にオイルショック以降、大きな流れとなっていました。さらに最近では、2010 年に今後30年で二酸化炭素排出を半減する目標が国政的合意され、二酸化炭素排出が大きな問題となってきました。 しかし、特に船舶や航空機は耐用年数も長く、新規に製造するためにも多くの二酸化炭素が消費されます。 ただ、なにも燃費の良い新型船や自動車へ変更しなくても、運用でも二酸化炭素の発生量を減少できます。 航空機については、ジェット気流に応じて、最適な飛行コースを微調整したり、飛行重量や距離に応じて燃料搭載量を調整しています。 船舶も同じて、タンカーなど外航船で図2 日本の運輸部門での二酸化炭素の排出量(国土交通省資料)図3 日本の各分野での二酸化炭素の排出量(国土交通省資料)図1 日本の旅客輸送量あたりの二酸化炭素の排出量(国土交通省資料)48