ブックタイトル実装技術12月号2019年特別編集版
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実装技術12月号2019年特別編集版
18半導体実装1 2 本稿は、「エレクトロニクス実装学会誌」(Vol.22、No.7、pp602~606、2019)から文章と図を転載し、再編集および追記したものである。 はじめに 自動車業界は、100年に一度と言われる変革期を迎えており、これまでの自動車業界とは異なる業界からの新たなプレーヤーも加わり、ビジネスの枠組み自体が変化しつつ、大きな技術革新が進んでいる。2016年パリモーターショーにて、ダイムラーのCEOが今後の戦略の4つの柱について、その頭文字をとってCASE(Connected, Autonomous, Shared&Service、Electric)と呼び、今後の自動車の方向性を適切に示す言葉として認識され、大きな方向性が明確に認識されるようになった(コネクテッド、自動運転、シェアリング&サービス、電動化)。 本稿では、これらの方向性の中で、車載システム・機器がどのように変化し、それに伴って車載エレクトロニクス実装技術がどのような課題を持つかについて、論じる。 自動車の進化の方向性 : 必要な機能と主な車載機器 自動車の進化の4つの方向性のうち、まず、C、A、Sすなわち、コネクテッド、自動運転、シェアリング&サービスに向けた進化に必要な車載機器について考える。 自動車、および従来の自動車の概念を超える移動手段としてのモビリティの進化は、モビリティ・自動車の製造およびこれを使ったサービスやプラットフォームのビジネスのレベルで捉えると、これら3つはそれぞれ異なる進化と捉えられるが、車載システム・機器、さらに実装技術のレベルでは、互いに関連して必ずしも分離できない。C、A、Sの方向性全体に向けては、①安全・安心、②快適・利便の機能を高いレベルで実現するためのシステム・機器が必要になると捉えることができる。 一方、E、すなわち電動化の方向性に向けては、その目的である、③環境(低エミッション)の機能を高いレベルで実現するためのシステム・機器が必要になると捉えることができる。 図1に、自動車に求められる3つの機能と必要な車載機器について示した。主な機器として、①安全・安心に対しては、走行支援システム用センシングシステム、ABS(Anti-lock Brake System)/ ESC(Electric StabilityControl)用アクチュエータ&コンピュータなど、②快適・利便に対しては、カーナビゲーションシステム、車両運用システムなどがある。カーエレクトロニクスの動向と実装技術の課題(株)デンソー / 三宅 敏広図1 自動車に求められる機能と主な車載機器