ブックタイトル実装技術11月号2019年特別編集版

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概要

実装技術11月号2019年特別編集版

26実装工程の効率化12????????電??????の???? 静電気対策の基本とは、電荷をどのようにして地球に帰還させるかであろう。その観点からはイオナイザ物体表面にイオンを照射することで物体表面の電荷を中和させ、見かけ上のイオンを消滅させることにあり、電荷の帰還とは別の課題である。帰還させる方法はアース接地が一般的である。静電気の強さを表す総電荷量Qは次式で与えられる。 Q=CV C : 静電容量(pF) V : 帯電位(V) 一般に静電気を測定する場合、ハンディな静電気チェッカーで得た帯電位で「何kVの静電気」と数値だけで議論することが多いが、本来なら電荷の溜まりやすさ「C」と「V」の積算値を議論すべきである。帯電位は大きさであって、静電気の強さではない。総電荷量が強さのパラメーターである。最近の静電気対策はESD(Electrostatic:静電気の放電による電子デバイス回路の破壊)は当然のこととしてESA(Electrostatic attraction)による製品への異物粒子の付着が悩ましい課題となっている。ESDの対象はあくまで電子デバイス回路であり、クリーンルーム内での異物付着問題とは線引きをする必要がある。 本稿ではESAを前提とした静電気対策の事例と考え方について述べる。   ??電??????の????と??????1?? ??????????の??電??????の??ン??プト 図1に作業台周りの静電気対策のコンセプトを示す。静電気対策の基本は製品表面に電荷を溜めないことにある。発生した静電気の電荷の数を減らすには、製品表面の電荷を地球に逃がすルートを形成させることが重要である。英語では地球をアース(Earth)というが、地球全体を「ゼロ電位」と見做し、溜まった電荷を地球に帰還させることをアース接地という。このアース接地によってどのように電荷を逃がすのかを考える必要がある。ちなみに、グランド接地も使われることがあるが、グランド(Ground)とは地上のことであり、最近ではグランド接地もアース接地と同様の意味に使われているおり、厳密には区別されてはいない。 一方、イオナイザは反極性のイオンをあてて表面の電荷を中和させる方法なので、電荷を地球に帰還させている訳ではない。イオナイザからのイオンの数と材料が本質的に持つ電荷の絶対量は比較にならない程材料の方が大きいので、仮にイオナイザをあてた状態で帯電位が0Vであったにしても、スイッチを切ったら徐々に材料の持つ電荷が現れ、元の電位に戻る。つまり、イオナイザはイオンの中和には機能するが、スイッチを切ったら全く機能しない。また最近、空間除電の方法も提案されているが、これは作業室空間にイオンを放出させることで荷電した浮遊塵埃を中和させ、製品へのESAによる付着を抑制させる効果を狙っているが、製品自体の除電を抑制させることとは狙い目を異にしている。 以上のように、静電気対策とは電子を溜めないように地球に逃がすルートの形成にある。製品表面に電荷が溜まり帯電位があったと仮定すると、地球に帰還させる方法は、たとえば、 ① 製品 → 作業台 → 導電床 → 地球 ② 製品 → 作業台 → 導電マット → 地球 ③ 製品 → 作業台 → 地球 ④ 製品 → 表面の湿度(水分子) → 作業台 → 地球 ⑤ 製品 → 作業台 → 作業者のリストストラップ →   導電靴 → 導電床 → 地球 ⑥ 製品 → 作業台 → 作業者のリストストラップ →   作業台のグランド端子 → 地球 などいろいろなルートが考えられる。この場合の基本は抵抗値を「地球 < 導電床・導電マット < 作業台・作業者 < 製実装工程における静電気対策についてクリーンサイエンスジャパン / 園田 信夫