ブックタイトル実装技術9月号2019年特別編集版

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概要

実装技術9月号2019年特別編集版

21未来を描くNXTR部品搭載技術2形になった」ものである。もちろん、これまで培った技術、実現が難しかったことの解決策も盛り込み生産性や実装品質に磨きをかけることも怠ってはいない。 では、以下に特徴をご紹介する。   実装機『NXTR』の特徴1. 業界初!※ 全自動実装機 SMT実装工程で生産中にもっとも時間を割く作業は部品補給である。また、装置停止の要因の中で、部品補給をきっかけに発生する、いわゆるチョコ停も多いのが現状である。 この部品補給作業を自動化することでこれらの問題を解決しようと、FUJIでは、オートローディングフィーダ、オートスプライシングユニット、リールローダを開発してきた。 しかし、どれもフィーダを実装機にセットする作業を自動化するものではなかった。 『NXTR』は、フィーダを運び、セットする「スマートローダー」を初めて実装機に搭載した(※ 2019 年5 月、当社調べ)。必要な時に、必要な場所に正確に部品を自動的にセットすることで、オペレータの作業負荷が軽減でき、作業ミスによる装置停止をなくすことで生産性の向上が期待できる。また、「スマートローダー」は、今後様々な役割を任せられる可能性を秘めた革新的ユニットといえる。 作業とライン停止を最少化することで、SMT実装ライン全体で現在の1/3 のオペレータでの稼動を目指す。2. 段取り替え時間ゼロの実現 『NXTR』は、生産に使用するフィーダだけではなく、次生産用や補給用の部品がセットされたフィーダを準備しておくベースバッファを備えている。これにより、段取り替えや部品補給時のフィーダ移動はベースバッファと本機の上下間で行われ、「スマートローダー」の動作は最小、時間は最短になり、効率的な交換が可能になった。「スマートローダー」が現生産継続中に次生産へのフィーダを交換することで段取り替え時間が実質ゼロになり、FUJI条件下では基板生産量が1日に10 %以上UPすると試算している。3. 「スマートローダー」による生産方式 『NXTR』では常に段取り替え準備や部品補給を自動で行う「スマートローダー」が搭載されている。ここではスマートローダーによる2 種類の生産方式を紹介していく。 多品種大量生産向けには生産機種ごとに最適化したフィーダ配置や装着順で実装するABデバイス生産が効果的である。 ABデバイス生産は、最短サイクルタイムで生産が可能となり、段取り替えによる生産停止時間がゼロになる(※現生産の部品補給をしながら次生産の段取り替えが可能)。 少量多品種生産向けには、複数生産機種の部品共通配置を行い、差分の部品のみを自動で段取り替えするプログレッシブ生産が効果的である。 プログレッシブ生産は、差分部品のみ交換のため最短の段取り替え時間で生産を再開することができる。また最小限のフィーダ本数で生産することが可能となる。 4. 3種ヘッドを組み合わせ、多様な生産に柔軟に対応 『NXT』で高い評価をいただいている交換可能な小型軽量ヘッドにさらに磨きをかけ、3 種に集約した(図2)。 実装品質の面では、リアルタイムで吸着・装着部品チェックを行うIPSに加え、全ヘッドがタッチダウン検出機能に対応し、確実な実装の実現に死角はない。また、実装速度においても、RH20 ヘッドは、従来ヘッド(H24S)と比べ、42 %向上している。これにより、高速、高精度、低衝撃というFUJI実装機の特徴がさらに向上したといえる。5. 実装環境をクリーンに 実装機内のほこりは製品に付着するだけではなく、ノズルの汚れ、詰まりの原因にもなる。ほこりを適切に取り除くことは、不良発生を防ぐことはもとより、装置の停止要因を未然に防ぎ、稼働率を保ち、オペレータによる復旧対応などをなくすことにつながる。 『NXTR』は、装置内の空気の流れを解析し、ほこりを生産ステージやヘッド付近から遠ざけ機外に排出する設計となっている。(株)FUJI図2 ヘッド