ブックタイトル実装技術3月号2019年特別編集版

概要

実装技術3月号2019年特別編集版

21電子回路基板の黎明期を振り返るプリント配線板技術　さらに1957年には、「電気大工道具」、「電気やぐらこたつ」、「電気ポット」などが発売された。これらの製品は今でも目にすることができ、使われている。62 年前に商品化されたのが、今も継続して生産・販売されているのであるから驚きである。　1958 年7月～1961 年12月までは「岩戸景気」と称され、この時期に、「電気洗濯機」、「電気冷蔵庫」、「TV」の家電製品が「3 種の神器」といわれ、当時、必要とした家電製品であった。つまり、「家電必需品」となった。　日本では、1960 年9月には、カラーTVの本格放送が開始され、国内メーカー躍進のきっかけとなった。1965年に、カラーTV国内出荷は 5万台／年、1966年には、22万台／年となり、カラーTVが家電製品の主役となり、主に紙フェノール銅張積層板を使った片面プリント配線板が使用された。そしてソニーが1968 年に「トリニトロン」方式で鮮やかな画面の新製品を発売し、世界市場に進出することが可能となった。　1965 年11月～1970 年7月までは「いざなぎ景気」と称され、「カラーTV（Coor TV）」、「クーラー（Cooer）」、「カー（Car）」が「新三種の神器」の3Cと称され、「家電製品」と「自動車」が当時の購入したい商品となった。　このころは「新三種の神器」のほかに「ピアノ」、「カメラ」、「ステレオ」など生活の豊かさを享受するアイテムが相次いで登場し、誰もが同じものをもつことで幸せになる「1 億中流化」が一気に進んだ。そして、「家電必需品」から「家電便利品」もしくは「家電娯楽品」へと幅が拡がっていった。　日本万国博覧会 （略称は開催地名から大阪万博）は1970年に「人類の進歩と調和」をテーマに掲げ、77ヵ国が参加し、戦後、高度経済成長をなしとげ、アメリカにつぐ経済大国となった日本の象徴的な意義をもつイベントとして開催され、「ワイヤレステレホン」、「電気自転車」 、「人間洗濯機」などの夢のある製品の多くが展示または会場内で使用された。当時、夢のある製品といわれた製品はすでに実用化され、身近で使用されている製品もある。　1970 年代になると2 度の石油ショック （1973 年、1979年）とインフレ、デフレ、高金利による不安定な時代で、エレクトロニクス業界では真空菅から半導体 （IC）にかわり、省エネ、節電が合い言葉になって進化した。1950 年から20年間の主な家電製品を体系化すると表1のようになる 6）。青木　正光??1　????の電子機器の????（1950??1970??）年度家電製品1950年電気トースター発売、回転式洗濯機（日本電装）を発売日本初のテープレコーダー（G型/東京通信工業）を発売1952年国産第1号テレビ（TV3-14T/早川電機工業）を発売日立の洗濯機第1号（SM-A1/日立製作所）を発売1953年民法テレビ放送開始、噴流式洗濯機（SW53/三洋電機）を発売（家電元年）1955年電気釡（東京芝浦電気）、トランジスタ・ラジオ（TR-55/東京通信工業）、電気毛布、ジューサ（東京芝浦電気）などを発売1957年真空管ラジオ（日立ラジオ H-202/日立製作所）を発売世界最小のポケッタブルラジオ（TR-63/東京通信工業）を発売日本初のマグネットドアロック機構の電気冷蔵庫（GR-830/東京芝浦電気）を発売電気大工道具、電気やぐらこたつ（東京芝浦電気）を発売1958年トリニトロンカラーテレビ（KV-1310/東京通信工業）を発売6石トランジスタ超小型ポータブルラジオ（日立製作所）を完成1959年トランジスタ電子計算機（HITAC301/日立製作所）を完成し、日本電子工業振興協会に納入1960年世界初のオールトランジスタテレビ (TV8-301/ソニー)を発売1961年国産第1号のスプリット型ルームエアコン（CLU-7I・CLU-7H/東京芝浦電気）を発売全自動洗濯機 (日立製作所)を開発1963年世界初のトランジスタ小型VTR（PV-100/ソニー）を発売1964年オールトランジスタ電卓（コンペット CS-10A/早川電機工業）を発売世界初の家庭用白黒 VTR（CV-2000/ソニー）を発売1965年世界初のオールトランジスタ式家庭用ビデオ「ビデオコーダー」1号機（CV-2000/ソニー）を発売1967年世界初のICラジオ（ICR-100/ソニー）を発売1969年冷蔵庫と冷凍庫が分離した２ドアタイプの冷蔵庫が登場