ブックタイトル実装技術12月号2018年

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概要

実装技術12月号2018年

5745,00040,00035,00030,00025,00020,00015,00010,0005,000018/0118/0318/0518/0618/0718/0817/0917/1017/1117/1218/0218/04■台湾プリント配線板生産額(台湾の上場メーカー)生産額(百万NT$)年/月TPCA統計資料より作成リジッド   フレキシブル1.201.151.101.051.000.950.900.850.8018/0118/0318/0418/0518/0618/0718/0817/0917/1017/1117/1218/02■北米プリント配線板 B/B値北米プリント配線板需給動向 2018年8月台湾プリント配線板生産実績 2018年8月 米国全体としては、依然として経済は好調であり、雇用統計データも良く、失業率は最低レベルを維持している。このため、FRBは景気の過熱を抑えるために、今年中にさらなる政策金利引き上げを検討しているが、政府としては、好調な景気に水を差しかねないとして、消極的である。加えて、米中の貿易戦争は次第にエスカレートしてきており、今後の動向には予断を許さない。今後、輸入関税の大幅引き上げに伴い、多くの輸入部材のコストアップが予想される中で、北米のエレクトロニクス産業にも、その影響が出始めている。 このところ、米国製造業のPMIは荒っぽい動きが続いているが、2ヶ月続けての上昇の後で大きく下げ、8月は大幅上昇となり、この1年間での最高値を付けている。メーカーも先行きが読めない様子で、増税前の駆け込み需要の可能性もある。エレクトロニクス産業の基幹をなす北米半導体製品の販売は、今年に入ってから減少傾向に転じ、7ヶ月続けての減少となっている。8月に入って下げ足を速めているようにも見える。半導体メーカーの設備投資にも勢いがなくなってきている。 横ばい状態から、減少傾向が見えていた北米EMS 産業の出荷額は、8月に入って減少傾向がはっきりしてきた。米国が得意とする大型コンピュータと産業用エレクトロニクスの受注額は、この3ヶ月ほど横ばい状態が続いているが、若干の減少傾向がみえている。 8月に入って北米プリント配線板産業の出荷額は、前月比で6.5%の増加となっているが、これは季節要因の範囲内といってよい。前年同月比では8.7%増の増加となっている。年初からの出荷額の累計では10.3 %の増加となっている。 いっぽう、8月の受注額は、前月比で9.4%の増加であるが、これも季節要因の範囲内といってよい。前年同月比では、6.8%の増加である。年初からの累計では、前年同期比で11.0%増と、若干下がりぎみとなっている。その結果として、8月のB/Bレシオは、3ヶ月続けての1.05となっている。 台湾エレクトロニクス産業とそれに関係するプリント配線板産業は、欧米向け民生市場が主体となっているために、季節要因による変動幅が大きく、下半期に入ると年末のクリスマス商戦に向けて体制が上がっていく。今年の場合、2月の旧正月休暇による落ち込みは大きかったが、3月以降の回復は順調に進んでいるかのようにみえる。 8月の台湾上場プリント配線板メーカーの出荷額合計は611.2億台湾ドルで、前月比で7.8 %の増加である。前年同月比では13.1 %の増加で、二桁成長が続いている。 当月は、特にリジッド配線板の伸びが目覚ましい。出荷額は437.1億台湾ドルで、前月比4.1%、前年同月比12.6%の増加である。この値は、単月の出荷額としては、過去最高記録を更新した。フレキシブル配線板は前年同月比で14.1%の増加で、依然として二桁成長率を維持しているが、成長率はやや鈍化している。年初からの累計出荷額では、全体合計が12.7%の増加に対して、リジッド配線板が9.9 %増、フレキシブル配線板が22.0%増で、リジッド配線板の改善が目立っている。大手メーカーは、年末商戦へ向けてさらに体制が上がると期待が高まっている。ただ、不安要因がないわけではない。9月に発表されたアップル社のiPhoneの新モデルの販売価格が予想を超えて高かったために、計画通りに売れるかかどうか疑問がでており、サプライチェーンのメーカーでは、在庫の調整に神経質になっている。 メーカー別では、フレキシブル配線板メーカー最大手のZDTechnology社の8月の出荷額は、121.3億台湾ドルで、前年同月比15.8 %増と高い成長率で業界を牽引している。2 位のFlexium 社も15.7%増と、順調に売り上げを伸ばしている。リジッド配線板メーカー大手も、トップのUnimicron 社をはじめとして、8月の出荷額は、前年同月比で二桁の成長率を達成している。大手ではCompeq社とChin-Poon社のみがマイナス成長に留まっている。