ブックタイトル実装技術12月号2018年

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概要

実装技術12月号2018年

42??????????の????な???? ????????の????化 ??????????????化????????????る??半導体実装ゼストロンジャパン(株)1. チキソ剤の「難溶化」と「軟化点」変化 一例としてチキソ剤に使用されていることが多くなっている、アミド化合物に関して注目したい。使用頻度が高まっている背景には「リフロー温度の高温化」が理由として挙げられる。実際にアミド化合物は優れた熱特性が得られると共に、比較的安定性が高いことからソルダペーストの印刷安定性や経時安定性に大きく寄与している。しかし、添加されているアミド化合物の分子量が増加するに従い、水・有機溶剤に対し難溶性となる傾向にあり、また軟化点も高くなる(図5)。チキソ剤は熱変性して硬化したフラックス成分他、多数の含有物質と混合状態となっている。従ってチキソ剤を軟化させることができない温度域では、残渣そのものが硬化状態となるため、洗浄には不利な状況となる。必然的に加温することで残渣は軟化する傾向となるが、従来の有機溶剤を主体とした洗浄液では、軟化点である高温域(60℃以上)まで加温することは、安全面や設備上の観点から容易ではなく、また、チキソ剤成分に対して溶解性に限界があることからも、洗浄効果は限定的となってしまう。 特に無洗浄タイプのソルダペーストの場合、洗浄はより難化してしまう傾向となる。近年の無洗浄タイプのソルダペーストは、残渣表面をより硬質化させている。これは残渣内部を完全に封止することで、水や空気の接触を断ち残渣を安定性化させる為である。いっぽうで、完全な硬化状態では物理的衝撃や経時変化により、残渣にクラックが発生してしまうため、それらを防止する観点から残渣内部は適度な弾性を維持できる仕様となっている。実際に残渣は図6のような状態となっており、表面は難溶性層で硬質化し、なおかつ内部はチキソ剤を主体とした混合体で構成されているため、「溶解洗浄での洗浄」は著しく限定されてしまうこととなる(図7)。2. 金属塩の溶解性 ごぞんじの方も多いであろうが、「塩」とは何かを改めて記載させていただく。正電荷をもつ陽イオン(カチオン)と負電荷をもつ陰イオン(アニオン)の間の静電引力による化学結合により形成されている物質の総称である。食塩の主成分である塩化ナトリウム(NaCl)はもっとも身近な「塩」といえる。エレクトロニクス分野では、Pbフリー化が果たされて以来、Sn塩が長年の課題となってきた(図8)。近年ではより合金組成は変化し、金属塩形成はより複雑化しており、洗浄の難度をより高める要因となっている。 金属塩洗浄で重要なのは、「極性」を考慮しなくてはいけない点である。物質の溶解性は様々な要素で決まるが、その中でも大きなファクタが極性である。極性は分子内に存在する電気的な偏りのことで、分子構造や官能基の電気的特性によって決定される。極性の性質が類似するものは相溶性が高い(溶けやすい)といえるが、金属塩はイオン結合で形成され図8 ????対??????????(Sn??の例)図5 ????ドの??学??と????分子構造中のアルキル基に炭素数が増加するほど難容性となる→ 水への相溶性は悪くなるが、同時に有機溶剤への溶解性も限定される傾向にある図6水などを内部に侵入させないよう、強固な表面特性を形成している残渣の密着力が高く、洗浄しきれていない図7 ??????タイプの????例(??????素??????????事例)