ブックタイトル実装技術7月号2018年特別編集版
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実装技術7月号2018年特別編集版
とができる加入者は得られますが、サービスエリアは2 社が被っていて、上位2 社には引けを取ります。しかし、SprintはSoftBankが筆頭株主で、T-MobileはドイツのDeutsche Telecomが筆頭株主になっています。海外資本がアメリカの大きな通信業社になることに対し、アメリカ政府がどう考えるかが問題となっていて、合併がアメリカの規制当局の認可を得られるかが、問題となっています。 AT& T MobileとVwrizon Wireless が開始する5Gサービスは、その内容が大きく異なっています。AT&Tはモバイル通信で、ベライゾンワイヤレスはブロードバンドサービスでおのおの年内に5Gサービスを開始すると発表しています。 このため、ベライゾンはエリクソンと組み、AT&Tはインテルと組み5G対応のタブレット端末を開発していると発表しています。同時にインテルは、5G対応の通信チップを発表しました(図3)。2. 5Gのビジネスモデル 5Gは10Gbps の通信速度があるといわれています。これは現在の光通信サービスと比べても段違いに早い通信速度です。 たとえば、NTTドコモの「フレッツ光」でも高速サービスでも論理的最高速度が1Gbpsで、一般のサービスではデータを送る「上り」が5Mbps、ダウンロードの「下り」でも200Mbpsです。銅配線を使うADSLでは「上り」が5Mbps、「下り」が47Mbpsです。 この「光」より数倍も早い5Gがスマホやタブレットの携帯で必要でしょうか? AT&Tがインテルと共同で、5G 対応のタブレットを開発し、年末のサービス開始時には、5G 対応機器として販売を開始すると報じられています。 新規開発で、数も少ない5G 対応通信ICを使った新製品は5Gという新規性も含め、多分、最上位機種としてこれまでの製品よりは高い価格になると思われます。iPhoneシリーズの最上位機種として販売されているApple 社のiPhone Xは性能や品質は素晴らしいのですが、価格が高く、期待したほど売り上げが伸びていません(図4)。5G 対応タブレットも、5G のサービスエリアも限られ、パイトット製品ということもあり、売り上げはそれほど伸びないでしょう。 AT&T の5G サービスエリアも一部の大都市だけの限定サービスでもあり、サービス料金も4Gと同じというわけには行かないでしょう。 国際的な5Gの標準規格も決まっていない段階で、あえてAT&Tが5G のサービスを開始するのはなぜでしょう? 一つは先月でも説明しましたが、実績を作ることにより、国際標準を自分に都合の良い方向にもってくる目的があります。また、先駆けて5Gの実用サービスを開始することによる、企業イメージのアップやPR の効果も大きなものがあります。 しかし、もっとも大きな目的は、5Gのポテンシャルを多くの会社にアピールし、B to Bのビジネスモデルを構築することにあります。 5Gは実は、スマホやタブレットユーザーなどの一般消費者(Consumer)を相手にしたBto C(Business to Consumer、B2C)のビジネスモデルよりも会社に5Gサービスを売り込むB to B(Business to Business、B2B)を主なマーケットとして開発されています(図5)。 5GではB2B のあとにCやBがあるので、B2B2Xとも読んでいます。B2Bビジネスに対して、多くのマスコミ報道では、では、エンドユーザーが享受するメリットを強調しています。「次世代の高速通信」とか、「次世代の高速ネット」などと一般ユーザー向けのサービスとしてのイメージが強調されているために、5Gがわかりにくくなってしまっています。3. B2C(コンシューマ) ビジネスモデル コンシューマ・ビジネスは、一般消費者に製品やサービスを販売、提供するビジネスです。アップルやサムソンのスマートフォンビジネス、ソニーやパナソニック、シャープなどのTVやAV 機器や白物の家電製品など、多くの電機メーカーが、B2Cビジネスモデルを展開しています。自動車も大多数はエンドユーザーに車を販売するB2Cビジネスです。 NTTドコモや、au、ソフトバンクなど、通信業社のビジネスモデルも加入者に通信サービスを提供するB2Cビジネスモデルです。オンラインゲームや、音楽配信サービスなどもB2Cビジネスです。 AT&Tが計画している5Gサービスも5G前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図5 5G のサービスモデル図4 iPhone X(Apple HPより)53