ブックタイトル実装技術6月号2018年特別編集版

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概要

実装技術6月号2018年特別編集版

43プリント配線板の設計開発に関する最近のトレンド ?高速メモリバス編?プリント配線板製造の動向を探るこの2つの長さが同じになるよう配線の配置を行う。メモリが複数の場合、1対のクロックが複数のメモリを通るように配線する。クロック信号はプロセッサなどのメモリコントローラから出力され、複数のメモリを通り、反射を抑えるための抵抗に接続される。この配線方法を一筆書き、抵抗を終端抵抗という。制御系はアドレスや各種コマンドであり、1つの信号を伝えるのに配線1 本を用いるシングルエンド配線である。メモリが複数の場合の配線方法は一筆書きである。クロックと同様に終端抵抗を用いる。データ系は、複数のデータ信号と、その基準となるストローブ信号から成る。メモリコントローラとメモリとの接続は1対1であり、複数のデータ信号の配線長は揃える。終端抵抗はメモリやメモリコントローラが内蔵するもの(オン・ダイ・ターミネーション。ODTとよばれる)を用いるため、プリント配線板には設けない。データストローブ信号は差動であり、これを構成する2つの配線の長さは同じにする。 メモリやメモリコントローラの受信波形は、所定の時間や電圧の要件を満足する必要があり、パラメータとして配線の分岐方法、長さ、特性インピーダンス、終端抵抗の位置、値などの影響を受け、また信号出力源のドライブ能力や、データ系についてはODTの値を変えることで調整できる。回路図や外形図に基づきデバイスや部品の仮配置を行い、プリント配線板の断面構造として層数や絶縁層厚み、材質等を仮決めする。なお、DDR3、DDR4搭載用ともに、プリント配線板の材質には一般FR-4が用いられることが多い。この後、シミュレーションソフトウエアを用い、パターン設計の前に信号配線や終端抵抗を仮決めして受信波形の計算を行い、規定された時間や電圧の要件を満足するか確認する。逸脱している場合、上記のパラメータを変更し、合致する条件を見出す。この信号配線やデバイス設定の条件範囲を見出す作業はプレシミュレーションとよばれることが多い。図3がこの実施例である。アドレスについて、配線長、特性インピーダンス、分岐点からデバイスまでの長さ、終端抵抗の値を設定し、メモリコントローラにもっとも近いメモリと、最も遠いそれについて波形シミュレーションをRITAエレクトロニクス(株)図3 プレシミュレーション例図2 メモリバス回路例反射の影響反射の影響RP=55ΩRP=43Ω 33ΩDDR3 SDRAM④波形DDR3 SDRAM①波形