ブックタイトル実装技術3月号2018年特別編集版

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概要

実装技術3月号2018年特別編集版

45 この回路で、入力にプラスの電圧が与えられると、NMOSはON、PMOSはOFFとなるので、出力は?Vにつながる。入力がマイナス電圧だと、NMOSはOFF、PMOSはONとなって出力は+Vになる。すなわち、入力がプラスなら出力はマイナス、入力がマイナスなら出力はプラスに反転するわけで、このような回路をインバータといって、LSI の基本となっている。 LSI の集積度がどんどん大きくなるのは、このようなNMOSとPMOS のペアが、小指の爪程度の小さい面積のチップ上に数百億ペアも載っているわけである。図2 CMOS構造の断面図図4 比例縮小則で、MOSトランジスタが縮小される様子CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)は、同一シリコンチップ上にNMOSとPMOSを作りこんだもので、上図のような構造になる図3 インバータ回路3. ムーアの法則を実現した微細化の進展 IBM のロバート・デナード氏は、1974 年にMOSトランジスタの比例縮小則(Scaling Rule)を発表し、微細化により性能が上がり集積度が増すことを示した。この比例縮小則が指導原理となって、微細化競争が50 年近く続いている。 これによると、「トランジスタのパターン寸法を仮に0.7 倍に縮小すると、集積度は2 倍、動作速度は1.4倍、消費電力は1/2となり、図4のように微細化の世代ごとに集積度も性能も向上し、微細化して悪いことはなにもない。このため業界