ブックタイトル実装技術1月号2018年特別編集版

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概要

実装技術1月号2018年特別編集版

57プラットフォームの信頼性評価までの確立をめざした。(2)材料企業の特性・特長を重んじたPJ運営を心がけた ① 各社開発中の材料を預かり、実装し、評価するにあたり匿名性を重視し、徹底した ② 特許出願や各社相互の連携等にはPJは関与せず、自由に任せた ③ 「呉越同舟」ながら意見交換の場の提供(たとえば各材料ごとの少人数のWGを設置)に努めた(3)臨機応変のPJ運営を行った 一見ずさんな運営に見えるが、最終目的を掲げ、要素技術に分け、段階的にプログラムを設定し、粛々と進める、といった王道で進めることは不可能で、途中、予期せぬ結果が出て、基礎実験に戻らざるをえないといった事態がしばしばあった。これは材料開発にはつきものであるため。(4)権威あるアドバイザを多く集めた 上記のように材料屋に即した運営を心がけても、最終ユーザの意向は重要である。そこで自動車メーカ、電装メーカ、デバイスメーカの実力者にお願いして、本音のチェックをしていただいた。3. KAMOME-PJ Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの目的と推移 最初から3期に分けて進めたわけではなく、各PJの2年目に目的と進捗度を勘案し、会員企業と相談して新展開を図った経緯がある。図2に各期のパンフレットと計画・実績をわか図2 KAMOME-PJ : パワーモジュール用実装材料開発支援プロジェクトKanagawa Advanced Module for Material Evaluation-PJ 図3 PRパンフレットりやすく示した。 このⅠ?ⅢのPJを通じていえることは次の通りである(冨永保氏による)。(1)パワーモジュールの高Tj 化には高耐熱樹脂フルモールド  構造が適する(2)この構造では、高Tjチップ接合であるAgシンタ接合が、  十分なPCT 寿命を有する(3)この構造では、モールド樹脂PMCは無加圧工法Ag ナノ  ペーストによる接合を補強できる(4)この構造では、Agシンタリング阻害成分を含まないモー  ルド樹脂が必要である(5)この構造での高Tj化は伝熱シート(LF- 冷却器接合)の耐  熱性に制約される4. KAMOME A-PJ 以上、6 年間のKAMOME-PJについて述べたが、実はこの4月からもう一つの追加PJが発足している。PRになって恐縮であるが、EV 時代を見越した(インホイール型インバータ=空冷タイプ)を意識したPJで、実装材料にはより厳しい環境条件が求められ、各社は今までと異なる対応を求められる。これは3 年間のPJであり、現在実行コンセプト、実験計画の策定中であり、本格的実験・信頼性試験はこれからである。2017 年10月時点の会員企業は15 社。継続して会員企業を募集している。 2年目からご参加いただいても決して遅くはない。各社のこれからのご参加を歓迎したい。図3はPRパンフレットである。