ブックタイトル実装技術1月号2018年特別編集版
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実装技術1月号2018年特別編集版
41高温動作環境下におけるはんだ付け部の信頼性はんだ関連技術3 発生しない方法はない。コストを含む製品固有の保証基準を適切に設け、それを満足する試験および判断基準を設定することが重要となる。対象部が高温になるとクラック進展は促進されるため、保証基準を満足するための開発と試験方法、条件を含む判定基準の見直しが必要と考える。 また、Sn基Pbフリーはんだでは、クラック進展が極端に早い場合があると聞く。基本的にはβ-Snの結晶異方性に起因すると考えられ2)、「特定の方位が出現した場合」「結晶粒界がクラックの進行方向と一致した場合」にその進行は加速される。具体的な対策はないので、今後の研究が期待される。 エレクトロマイグレーション エレクトロマイグレーション(以下、EMと表示)の発生しやすい状況が整ってきた。たとえば、ハイブリッドカーのパワーコントロールユニットは低燃費と小型高出力化が同時に要求されることからカーメーカーでもEMの検証が進められるようになっている3)。 小型高出力化の進展で接合部の高温化、微細化は確実に進む。高温、高電流密度で発生するEM発生要件が揃ってきたといえよう。このため車や車載部品のメーカーでEMを現実的な信頼性問題と捉え積極的な評価が始まっている。 1. EMについて EMとは金属配線を流れる電流密度が上がると金属原子が電子の流れる方向に輸送される現象で、その最大の加速要因は温度である。図3にはんだボールで接合した左右の配線から電流を流しEMで断線した状態を示す。図4にはEMが進展している電流印加中の断面SEM像を示す。上段の全体写真ではカソードからアノードに向かって、はんだ中を銅が移動している様子が伺える。(株)クオルテック図4 電流印加途中のSEM像図3 EM試験