ブックタイトル実装技術12月号2017年
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実装技術12月号2017年
441. はじめに オムロン社の紹介をするため、社史を読んでいたらかなり面白い話があったので、まず紹介する。 オムロンは、1933 年5月に立石一真氏が立石電機製作所を設立し、レントゲン撮影用のタイマの製造を始めた。1941 年にはマイクロスイッチの開発に成功した。1948 年に社名を立石電機(株)に変更し、1959年に商標をオムロンと制定した。 1957 年、立石一真は若手研究者に「5 年以内に無接点スイッチを開発せよ」の指令を出し、世界初のトランジスタによる無接点スイッチの開発に成功した。 今では半導体のよるスイッチはあたりまえだが、当時のスイッチは金属接点のON/OFFであったから画期的な製品であった。立石一真語録に「面白い、やれ!」 という言葉があり、この語録によって新技術に挑戦する社風が形成された。 この頃、資本金の4倍もする研究所を設立し、オートメーション機器の開発に邁進している。1960年代には、自動販売機、自動改札機、両替機が使われ出し、立石電機が活躍したが、さらにキャッシュディスペンサやATMへと発展することになった。 次に立石一真はサイバネティックスに興味をもち、健康管理を扱うライフサイエンス研究所を設立し、現在のヘルスケアのビジネスに発展している。 サリドマイド児用に電動義手を開発し、字や絵を描く感動的な場面がNHKTVで放映され、社会的な高い評価を受けた。身障者のための福祉工場を大分と京都に作り、順調に稼働している。 1983 年、創業50 年にあたり、立石一真は「当社は売上が1000億円になり、大企業病になってきた。中小企業的な組織と簡潔な制度で活性化を図るべき」という挨拶をしたが、この「大企業病」という言葉が日本中に広まり日常用語になってしまった。 1990 年、社名を「オムロン株式会社」にした。世界中でビジネスを展開するためには「Tateishi」では読みにくいので、「Omron」にしたわけである。本社のあった京都・御室(おむろ)の地にちなんで名づけられた。 オムロンの製品や技術を以下に紹介する。2. 卓球ロボット ここ4 年間、CEATECでの展示の目玉となっているのが、オムロンの技術を紹介する卓球ロボットである。先日、筆者も見学し、図1の写真を撮ってきた。少し技術的なことも聞いてきたので紹介する。 相手の打った球は2 台のカメラで撮影しており、画像の取厚木エレクトロニクス / 加藤 俊夫シリーズ・企業訪問 きらりと光る優良企業(最終回)FA技術を中心に産業界の生産性向上に貢献し、ヘルスケア、車載、電子部品などバランスのとれた経営のオムロン(株)図1 CEATEC2017に展示されていた卓球ロボット