ブックタイトル実装技術12月号2017年
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実装技術12月号2017年
前田真一の最新実装技術 あれこれ塾劣りますが、回路規模が小さいプロセッサユニットをできるだけ多く実装しています。4. AI用のプロセッサ AIを実現するためには、話題のディープラーニングだけでなく、知識工学や統計解析などのデータベース解析、その他多くの手法があり、これらの手法を組み合わせた手法もあります。実際、有名なIBMのワトソンはディープラーニングではないといわれています。 データーベーを使った知識工学や統計的手法では、能力の高いCPUが有利ですが、多くのセルが並列でネットワーク接続されているディープラーニングをはじめとするネットワーク型のAIには、多くのプロセッサを並列接続したGPU型のプロセッサが向いています。 インテル社では、CPUタイプの86 系であるCoreシリーズだけでなく、並列プロセッサのXeon Phiシリーズも製品化しています(図11)。 グラフィックアクセラレータに特化してきたNDINIA 社は、GPUによるAIに力を入れています。 IBMやGoogleを始めとし、多くの会社や大学、研究所がAIにアプローチし、その成果を発表しています。 その中で、特異な会社がApple社です。Apple社は、音声認識、Siriを開発し、iPhoneを始めとする自社の機器に組み込んでいます。つい最近発売された最新のiPhonXでは、パスワードの代わりに顔認識を使ってユーザーログインができる機能を実装しています(図12)。 また、Googleが製品化して話題となり、続々と製品が発表されているAIスピーカーも製品化するといわれています。 ディープラーニングの研究で最先端にあるカナダのトロント大学の研究者なども加え、Apple 社は相当なAI 技術を持っていると考えられています。 しかし、Apple 社はスティーブ・ジョブズ時代からの秘密主義で、AI 技術は、すべて自社の機器に組み込むことで、外部に研究成果を発表してきませんでした。 今年になってApple 社は、AI のコンベンションで技術発表をしたり、自社のAI技術について、ホームページで公表したりするようになりました。(https://machinelearning.apple.com/2017/10/01/hey-siri.html) この関連で、iPhoneXに使っているプロセッサチップには、独自のAI 専用プロセッサが搭載されているとの情報も出ています。 残念ながら、AIに関してもハードの面からもソフトの面からも日本は周回遅れとなってしまっています。■マエダ シンイチKEI Systems。日米で、高速システムの開発/ 解図12 iPhone X 析コンサルティングを手がける。図9 Cell Broadband Engine Processor(from IBM)図11 Xeon Phiチップ写真(from Intel Corporation)図10 Wide I/O Memory55