ブックタイトル実装技術12月号2017年
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実装技術12月号2017年
46いる。心臓は1日に10万回程度拍動し、1拍ごとに血圧は変動し、夜間や早朝の高血圧や急激な血圧変動は脳・心血管疾患の発症リスクを高めることが指摘されている。しかし、現在ほとんどの家庭用血圧計は、カフで上腕や手首の血管全体を圧迫して血流を一時止め、常時測定するのではないのに対して、トノメトリ法(※ 3)によると手首に機器をつけるだけで簡単に独自の圧力センサ1 拍ごとの血圧を測定することができる。トノメトリ法とは、手首の体表近くにある橈骨(とうこつ)動脈に図4 のように46 個の圧力センサを押しあてて、1 拍ごとの血圧を測定する血圧測定方法である。睡眠中や急激な血圧変動を検知することができ、これらの血圧変動情報から、患者が持っているリスクの高い血圧上昇をとらえ、脳・心血管疾患発症リスクを予測し、発症を抑えるための高血圧診断・治療に貢献できる。6. センサ類を中心に多種の電子部品 オムロンでは、非常に多種類のセンサを開発、商品化されているので、とてもすべてを紹介することができないので、筆者が興味をもったものだけを取り上げる。1. 面白い原理の変位・測長センサ 変位や高さなどの測定方法はいろいろあるが、ここに紹介する「白色同軸共焦点方式」は、筆者には初耳である。図5のように、LEDから出た白色光はセンサヘッド内の特殊レンズ群(OCFL)により色(波長)ごとに異なった位置で焦点を結ぶ。その結果、対象物の高さに応じた色の光が返ってくるため、反射光の色情報からセンサヘッドと対象物の距離を測定することができる。OCFLモジュールとは、白色光を波長別に集光位置を変化させるオムロン独自のレンズである。従来の同軸共焦点方式と比べて大幅なセンサヘッドの小型化を実現している。2. 画像センサ カメラで撮影した映像を画像処理することで、対象物の特徴量(面積、重心、長さ、位置など)を算出し、データや判定結果を出力するセンサで、きず、汚れ、エッジの検出で欠けやバリを発見、濃淡画像の処理などいろいろな機能をもっている。装置の位置決めにも使われる。図6に画像処理でノイズを除去したり、余計な背景をカットする様子を示す。3. ファイバセンサ いろいろな種類があるが、一例を図7に示した。オプティカルファイバから出た光は、資料で反射または透過して減衰した状況を検出するもので、原理は簡単であるが、多くの特徴がある。 主な特徴として、①検出部が小型でケーブルの柔軟性により、狭い場所などで の検出が可能②耐環境性に優れる。すなわち、検出部が電気回路のないフ ァイバであるため、温度、湿度、振動、衝撃、水、電気ノイズな どの悪環境下でも高い信頼性が得られる③応答時間が短い④非接触で検出が可能なので、センサを長期にわたって使用 できるなどの点がある。4. 環境センサ 環境センサとして、温度、湿度、気圧、照度、紫外線、音圧、加速度を計測するセンシング機能と、無線通信機能、バッテリを小型パッケージに搭載した複合型を開発された。設置するだけで周囲の様々な環境情報をリアルタイムに収集し、ネットワークを介してクラウドサーバなどに収集した環境情報を送信し、スマートフォンなどで遠隔管理できる。また、設定した値を超えた時にだけユーザーに通知したり、内蔵メモリにデー図4 手首で連続して血圧を測定できる血圧計のセンサ図5 白色光を分光して反射波の波長によって距離を測定する原理