ブックタイトル実装技術12月号2017年
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実装技術12月号2017年
42図5 フィンランド航空のラウンジ(ヘルシンキ)速答技術として、まず「漢字が違う!」と回答しよう! 同じような質問で、「東海道線はどこを走っているか?」と聞かれて、「東京駅から…えーと、どこまでだったけ?」となるが、速答技術では、「線路の上を走っている」と回答すればよい。19. ユーモアで交渉成立 フィンランドのヘルシンキに訪問し会議が終わり、日本への帰国便に乗るために空港に上司とともに行ったら、空港内で同じ部門のシンガポール人の同僚とバッタリ! 上司は何度もフィンランド航空を利用し、FrequentTraveller のカードを持参しているため、エコノミークラスでも、連れは一人までは、フィンランド航空のラウンジが利用できるものの今回は2 人となり、制限を超えてしまう。そこで上司からシンガポール人の同僚のために交渉するように指示される。 ラウンジの受付の女性に“Close your eyes! You cannot see.”とジョークで依頼したら趣旨を理解して笑いながら、“I can not see.”といいながら手で、「どうぞ」と案内して入るように示してくれた。 ジョークで依頼すればユーモアを解する欧州人は、2人分の連れのラウンジ利用をOKしていただけた。ありがたいことにジョークが助けてくれた(図5)。 別の機会に工業会関係者と韓国に行く時に羽田国際空港で搭乗までは時間が十分あるため、このジョークを工業会の国際担当の部会長に紹介したら、さっそく、部会長が「良いことを聞いた」といって羽田国際空港の日本の航空会社に勇んで交渉に行った。 しかし、「日本人は頭が柔軟でなく、フィンランド人のようにはうまくはいかなかった」とこぼしながら戻ってきたので、工業会の会長とともに大笑いとなった。20. 学会発表での最後の言葉 海外で学会発表となると英語での発表となる。発表自体はあらかじめ練習してなんとかこなせるものの問題はQ&Aセッションでの回答である。聞き取りにくい難しい言い回しや早口で質問されるとついつい日本人は困って戸惑ってしまう。そこで考えた内容を紹介しよう。 発表後に示す最後のスライドには、“Thank you for yourattention”(謝謝?)と記載するのは、誰でも実施していると思う。 その部分の下に、筆者が考え出したのが、“Simplequestion, please! “(請提出簡單的問題就好 !)を付け加えて、さらに ①So-so Answer(ここに開催された国で使用されている 紙幣の数字の少ないのを示す) ②Good Answer (ここに開催された国で使用されている 紙幣の数字の中間を示す) ③Perfect Answer( ここに開催された国で使用されてい る紙幣の数字の高いのを示す) 「回答の仕方によって、料金が異なりますよ…」と暗に分かるようにおのおの回答に対して学会の開催国の紙幣を示して発表した。 この方式での発表を最初に使用したのは、ドイツで開催されたElectronics Goes Green(EGG)2000で使った(図6)。発表が終わってQ&Aセッションになると、座長のチャーター教授(英国University for the Creative Arts)が笑いながら、「私の質問はSimple questionですが…」と断っての新開発の材料のコストについての質問であった。最後に付け加えた「簡単な質問にしてくれ…」との要請を意識しての質問になったと思う。 そして、これには後日談があって、日本の英国大使館で2002年に開催された環境関係の講演会に、講演者の一人がチャーター教授であったので会合に駆けつけ、教授には、逆に「My question is very simple」として質問した。ドイツのお返しができ、これが縁で、会合終了後はチャーター教授を囲んでの居酒屋での飲み会となった。 なお、( )内に中国語で記載されているが、実は台湾で開催された講演で、事前打合せで講演内容を示したら、最後のスライドを見て、ユーモアを解する米国帰りの台湾人には、このようなジョークは台湾でも受けるのでぜひ、やりなさいと中国語の注釈をつけて応援してくれた経緯がある。