ブックタイトル実装技術12月号2017年

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概要

実装技術12月号2017年

34 これらの「X 線ステレオ方式」と「ステレオCT」の技術を採用し、両面基板の検査をインラインで行うことを実現したのがインライン3D-X 線検査装置ILX-1000 / 2000である。その概観を図10に、仕様を図11に示す。 ILX-1000は90kV のX 線発生器を採用し、一般的な基板の検査を対象としている。ILX-2000は反射型ターゲットながら、広いX線放射角をもつ最新のX線発生器を採用し、130kV39Wという高出力でパワーデバイスの検査を対象としている。 ILX-1000/ 2000は透過画像検査として、直上からの検図10 ILX-1000/2000外観図11 ILX-1000/2000概要仕様査や斜めからの検査も可能であり、冒頭に述べたような自動車用の基板・デバイスなどのボイド検査やブリッジ検査に活用していただいている。 このような用途においては、インライン機といえど投資金額をある程度抑えることが求められる。ILX-1000 / 2000はCTが可能なインラインX 線装置としては重量も1000kg程度であり、大型基板対応ながら設置面積も1.3m 角程度と非常にコンパクトである。インライン機といえば、従来は重量数トンで非常に大きなペースを必要とし、しかも非常に高価というイメージが定着してしまっている。しかし、当社では独自の設計によって、小型・軽量・低価格を実現した。3. まとめ X 線装置の需要は年々高まりを見せており、出荷台数も増加の一途をたどっている。このため、世界的にも工業用X 線向けのデバイス開発が加速されている。本稿で紹介したような最新のX線発生器のみならず、X線カメラも新規開発が行われつつある。 しばらく前までは国産のX線装置の多くが、X 線発生器もX線カメラも同じメーカーのものを採用しており、その差は装置メーカーの名前程度しかなかったため、どこを買っても同じというイメージをもっている方もいらっしゃると思われる。本稿で紹介したように、近年は市場の拡大とともに新しいデバイスが次々に発表されている。 当社はメカ・電気・ソフトすべての開発リソースを社内にもっている強みを活かし、これらのデバイスをいち早く製品に取り入れて、市場の要求にレスポンス良く応えていきたい。