ブックタイトル実装技術12月号2017年

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概要

実装技術12月号2017年

32真空機器としてのメンテナンスが必要なばかりでなく、これらポンプの寿命という新たな問題も抱え込むこととなった。 そこで、反射型ターゲットに代表される密閉管のメンテナンスフリーの良さと、開放管の性能を併せもったデバイスが近年開発され、当社のX 線検査機で実用化されている。 透過型ターゲットで問題となるターゲットの寿命問題を、ターゲットを密閉管構造でありながら移動させるという方法で解決をしたものである。 図5にこの方式のX線発生器のヘッド部分の写真を示す。写真でわかるように、ターゲットを回転する機構を密閉管と組み合わせることで、密閉管でありながら透過型ターゲットで長寿命を実現している。密閉管でありながら透過型ターゲットを採用しているので、幾何学倍率は開放管と同様の1000 倍以上を実現し、密閉管構造のためメンテナンスフリーである。500 時間ごとにターゲットを回転させる手間はかかるものの、反射型ターゲットに見られるような、使用時間とともに焦点径が大きくなるという現象は起こらない。管の寿命いっぱい初期性能を発揮できるというのも、大きなメリットである。2. 透過型ターゲットと焦点径の重要性 この透過型ターゲットの密閉管は、当初は90kVまでしか発生できなかったが、もっとも新しいデバイスでは110kVまで発生可能となり、焦点径も5μmから2μmと性能が大幅に向上してきている。当社ではこれらのデバイスを採用した製品をリリースしており、図6にその比較表を示す。 いずれの製品も密閉管でありながら、透過型ターゲットを採用していることで、最大倍率1000倍を実現している。FX-図6 透過型ターゲット採用の製品仕様図5 密閉管の透過型ターゲットのヘッド部分