ブックタイトル実装技術11月号2017年特別編集版
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実装技術11月号2017年特別編集版
381. はじめに 近年、パワーエレクトロニクスの進展やLED の多方面での利用に伴い、高温域の試験が増加している。このため高温耐久性や使用温度範囲拡大による疲労破壊などの故障増加が懸念される。 当社では、これら需要の高まる試験を実施するため、「高温加熱」「減圧」「加圧」「還元ガス」「不活性ガス」に対応する加熱装置を導入した。 本稿では、ギ酸を用いたフラックスレスはんだ付けの試験結果に加え、真空、加圧下でのボイド調査の一部を紹介する。2. ギ酸還元 ギ酸還元によるはんだ付けは比較的新しい工法で、注目されるようになってきた。最近では専用のソルダペーストと組み合わせ、低残渣、ボイドフリーを特徴とする工法も提案されている。①試験方法 酸化程度を違えた銅板にはんだペレットを搭載し、ギ酸還元リフローした後のはんだ付け状態を接触角で評価した。? はんだペレット : Sn3Ag0.5Cu、 Φ4.2mm、厚250μm②試験装置 試験装置については後半で詳細を説明する。? 加熱装置 : VSU-2823P(シンアペックス社) 高温、真空、加圧、還元 ? 酸化膜測定 : SERA法 (Sequential Electrochemical Reduction Analysis) 連続電気化学還元法(サーマプレシジョン社)③試験結果 酸化膜厚の異なる銅板を5種類作成した。ハルセル銅板を約2cm角に切断した試験片を使用し、150℃で1分、5分、10 分、30 分加熱したものと未加熱を準備した。 はじめにSERA法(連続電気化学還元法)で銅板の酸化膜厚を測定した。この方法は酸化物を電気化学的に還元し、その還元時間から膜厚を算出する手法である。 一段目の電位滞留部をCu2Oの還元とし、膜厚の算出結果を表1に、測定チャートを図1に示す。加熱時間が長くなるにつれて酸化膜が厚くなっていることがわかる。これらの銅板を用いてギ酸還元リフローを行った。図2 の実線にリフロープロファイル、破線に炉内の圧力を示す。リフロー中の銅板ギ酸還元はんだ付けと真空、加圧リフローの効果表1 加熱銅板のSERA法による算出膜厚 図1 加熱銅板のSERA法測定結果(株)クオルテック/長谷川 将司、高橋 政典、佐藤 豪祐