ブックタイトル実装技術11月号2017年特別編集版

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概要

実装技術11月号2017年特別編集版

33 による穴あけ後の基材残渣除去(特に炭酸ガスレーザ)と焼 成炭化物の除去。接着剤除去(接着フレキ)(デスミア)④多種の部材を用いた基板へのパターン形成(難接着・塗装 性、難金属蒸着性部材、エンジニアリングプラスチック材な どへの配線形成)(例:LCPやPET 材)⑤積層ビルドアップ基板の積層時での、基板や配線金属(Cu) と接着剤の接着強度改善 その他にも、樹脂封止処理の耐湿・耐環境性改良やワイヤボンディングの強度と製造におけるボンディング強度ばらつきの除去などいろいろな面に用いることができるが、今回は基板そのもの製造に着目し、実装に関してははまた別の機会にしたいと思う。3. デスカム工程での工程改良~ 基板パターン配線はフォトマスクを用いた手法で形成することが多いが、現在はサブトラクテブ工法やセミアデティブ工法が多く用いられている。図2 スカムの例図3 真空プラズマによる非常に狭い隙間の処理例(バックエッチング) サブトラクテブ工法は、先ず基板前面に配線用の材料(多くの場合はCu)を張った上にDFR(フォトマスク)を張り、露光・現像を行い、配線パターンと同じ形状のエッチング保護膜を作成した後に配線材料の露出部分をエッチングし、除去を行って配線パターンを作成した後に保護膜を取り払い、基板を作成するものである(図1)。 この工程流れにおいて、DFRの現像後に硬化して形成された配線パターンマスクの裾野部分に現像で取り入れなかったDFR の残渣が残り、その後のエッチング工程により形成されるCu配線が配線マスクより大きくなるという不都合が生じる。この残渣を「スカム」と呼び、その除去作業が「デスカム」と呼ばれる作業である(図2)。 スカムは特別の薬液で除去することもできるが、液相処理の場合はメディア(媒体)が液体であるため、隙間への侵入性が悪いのでパターンが高精細になればなるほど難しくなる。 これを簡単に、かつ高精度に行うことができる手法が、ドライプロセスである真空プラズマ装置による灰化デスカムである。 この手法は、真空プラズマ装置を用いて、有機物であるDFR の残渣(スカム)を酸素プラズマによる灰化(燃焼)し、炭酸ガスと水などの無害なガスに分解して除去するものである。プラズマ装置にはいろいと種類があるが、大気圧プラズマでは侵入性が悪いために微細な隙間の処理には向かない。真空プラズマ装置はプロセスパラメータの設定により微細な隙間にも侵入できるため微細な凹凸の内部すべてを処理することができる(図3)。