ブックタイトル実装技術10月号2017年特別編集版
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実装技術10月号2017年特別編集版
45 一般的な発熱を伴う部品の放熱のためには、トランジスタ(TR)、電界効果トランジスタ(FET)、ダイオード(DI)などのリード部品では個別に小さいアルミ製放熱フィンを取り付けたり、集中的に発熱の大きいCPU(中央演算処理IC)、GPU(グラフィック演算処理IC)などでは放熱フィンの他に個別に小型ファンを取り付けたりして局所的に放熱を行っている。 また、基板に多数の発熱部品を搭載するプリント配線基板では一般的なガラスエポキシ基板(ガラエポ基板)に代わってメタル基板として主にアルミニューム基板(アルミ基板)が使用されている。 特に発熱量の大きい高輝度LEDチップを多数搭載する照明用基板では速やかにチップ温度を下げるためにアルミ基板が使用されている。 しかしながら、アルミ基板はガラエポ基板に比べて価格が高く、10 倍程度のコストが掛かるという欠点がある。 ここでは、コスト低減のためにアルミ基板の代わりに従来のガラエポ基板を使用して放熱を改善する放熱技術を提供する方式を以下に示している。 この当社独自の放熱技術により放熱抵抗の改善を図り、これによりアルミ基板使用時と同等以上の効果を引き出すことができた。4. 製品差別化ポイントと優位性○新放熱構造 プリント配線基板に搭載したLEDチップの背面放熱面に同寸法の丸穴を基板に空け、基板と同じ厚さの銅板チップを介して放熱器に直接接触させた効率良い当社独自の新放熱技術となっており、現在、特許の申請を行っている。 高価なアルミ基板を使用しないで通常のガラエポ基板を使用できるため、プリント配線基板と放熱器との組み合わせでコスト低減に効果を発揮している。 さらに、熱伝導率の改善による放熱性向上でLED(部品)の図2 放熱構造イメージ図(断面) 図3信頼性向上(長寿命化)が期待できる。 この方式はSMT(表面実装部品)の形状に大きく影響されるが、部品の背面放熱面と電極端子とが分かれている部品であればこの放熱構造を応用できる。放熱面の形状も丸型以外の矩形などでも効率的な実装構造で対応可能となる。 金属の熱伝導率λは熱の伝わり方を示す指標であり、単位時間あたりにある決まった面積を通過する熱エネルギーを温度の勾配で割ることで求められる。 熱伝導率が高い金属ほど熱がよく伝わるともいえる。温度によって変わるため、どの温度での値なのかを確認する必要がある。 たとえば、銅 : 398、アルミ : 236、ニッケル : 90、鉄 :84、ベークライト : 0.3などとなる(上記熱伝導率λの単位は、[W/m・K]となる。at 25(℃))。 以上のとおり、銅とアルミニウムの熱伝導率を比べてみると、銅板はアルミ板に比べて1.7 倍近くの熱エネルギーを伝導することができる。したがって、LEDの放熱面に直接接触する部分にアルミ基板のアルミを使用せずに銅板チップを使用することで、その部分の熱を速やかに外部放熱器に熱伝導することができることになる(図2)。5. 放熱温度実験データ 放熱構造モデルを単純化して新放熱構造モデルでの放熱状態を以下の通り実験を行った。今回は前出のAC駆動タイプのLEDチップ(4W)1 個を使用している(図3)。リード1リード2